第4話 花札日和

ちゃっちゃっちゃっちゃと、器用に手札を切る母は最早熟練の顔だったが、今日は祖母に教わった。


ぴ、ぴと札を六枚配り、12枚面を向けて散らして、真ん中に札の束を置く。


さあ、デュエルスタート!


母が先手。

あ、鶯撮られた。続いて鹿。

私のターン、カス、カス。


圧倒的に母が優勢だった。

「なんか手使ったでしょ」

「何言ってんの、運だよ運」


母は大金星を持っているらしい。占いで昔言われたとのこと。

確かに、母は確実に運が良い。


「ああ、三冠取られたわ」

祖母が手札を見ながら言った。

えー、もう勝負着いちゃったじゃん。


「もう一回!もう一回!」

何度も繰り返して遊ぶ。あっという間に時間が過ぎていく。

その後祖母が風呂に入り、上がってきたころドライヤーで髪を乾かしてあげた。


「お婆ちゃんの毛ふわふわやね~」

「パーマ掛けてるからね」


昼間、バイト採用の通知が来た。

とりあえず、頑張ろう。


「今年はきっと、良いことあるさ」


祖母も母も抱き合って喜んでくれた。

私はちょろっと頑張らねばならない。


「青タン、取った!」


私のカードが揃った。

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