小田代隆幸
"俺がやる"
堺さんがタイムマシンの元を造った。
俺は昔から歌も機械もなんでも一からつくることが苦手だった。
だからあいつらに会うまでは周りにどんなに歌が上手いと言われてもずっとパッとしなかった。
あいつらが歌詞を作ってくれて、曲を作ってくれて、俺は輝くことができた。
大学でもモノを一から造ることが苦手で、よく落ち込んだし、周りのやつらに嫉妬した。
機械いじり自体は好きだった。でも才能がなかった。
ただそんな俺でも周りのやつらに一目置かれることがあった。それは機械の修理や改造だ。モノさえあれば俺は周りのやつらより優れていた。
でも俺はずっと何かを一からつくることに憧れ、固執してきた。一人で全てをやりこなしたかった。
そんな俺を変えたのがあいつらだった。俺はあいつらの才能に惚れた。
だから歌詞も曲もあいつらに任せようと思ったし、何か吹っ切れた。
堺さんのタイムマシンは未完成だった。俺たちはどうしても過去に行く必要があった。だから俺がこのマシンを完成させようと思ったんだ。
俺は一からモノをつくることができない。
でもモノさえあれば俺は輝く。
あ、「サイトウサン」は俺と雅人で作ったんだぜ。
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