夢
いくま
走り続ける
今日の体育の授業は卓球。
なのに卓球台は用意されていなくて、ただ、ラケットとボールを持った私たちが規則正しく並んでいた。
チャイムが鳴る。先生は来ない。
だが、他の生徒たちは2人1組になって卓球台のないままラリーをし始める。まるで、透明な卓球台があるかのように。
私と組んだ子は卓球がすごく上手で、私はその子のスマッシュを受けきれずボールが体育館から出てしまった。
『ごめんね。取ってくるね。』
そう言って私は体育館から出てボールを探しに行った。
5分くらい経っただろうか。ボールを見つけて体育館に戻ると、そこには誰もいなかった。
残っているのは規則正しく並んだラケットとコロコロと転がっている数個のボール。
私はなんだか怖くなって駆け出した。
『学校から出なければ。』そんな気がして。
私は走る。でも、なぜだろうさっきから走っているのになかなか昇降口にたどり着かない。
いつもなら15秒もあれば着くはずなのに…。
私は走り続ける。
夢 いくま @kicho_ikuma
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