第二部「覚醒」 第一章「変身」

 今週はきつい一週間だった。

 月曜日に急な出張が入って、充分な準備も出来ないまま北陸から関西、中部までお得意さん廻りをすることになったのだ。あちこちで嫌味を言われ、散々絞られ、気付いたら今日はもう金曜日、ヘトヘトになりながらやっとの思いで名古屋から新幹線に飛び乗った。

 ところが車中は週末の大混雑、出張の疲れで参っているところにガキどもがうるさくて (元気な子供は好きだが、耳元で騒がれてはたまらない)、それだけでいい加減うんざりしていたら列車がトラブルで遅れて、今夜の日隈との飲み会に間に合うかどうかも微妙になったのだ。

 一週間の疲れと電車の遅れでストレスが最高潮に達していた。

 ブルリ……。

 まずい兆候だ。


「トマトジュースある?」

 混雑の中を器用に移動してくる車内販売の売り子から、俺は今日5本目のトマトジュースを買って一気に飲み干した。流石に彼女も、妙な人という顔で俺を見始めたので、これ以上トマトジュースを買うのはやめたほうがよさそうだった。

 列車はようやく新横浜を通過して、あと少しで東京に着く。

 駅についたら、立ち食いうどんに直行しよう。唐辛子をタップリぶち込んで一気に掻き込む。考えただけでもよだれが出そうになる。汁が山盛りの唐辛子で真っ赤に染まったのをすするのが最高で、時間があれば関西風うどんを探すところだが、今の状態では贅沢は言えなかった。

 新幹線はスピードを落とした。東京駅直前で数珠繋ぎ状態なのだろう。俺はもう席に座っていられず、乗客を掻き分けて降車口に移動し始めた。通路に立つ俺と同じような出張帰りのサラリーマンたちは、自分だけ先に降りようとする身勝手な奴と嫌な顔で俺を睨んだが構わず睨み返して肩で進んだ。

 おとなしく通してくれた方が身の為だよ。そう思った瞬間、ブルリと身体が震えた。どうやら、始まりそうだ。

 間に合わなかった時どうすればいいのか、俺はまだ考えていなかった。

 だが、ありがたいことにそれからすぐ新幹線はホームへ入った。俺はドアが開くと一番に飛び出し、一目散に走った。


「うどんちょうだい」

 改札を抜けると、事前に場所をチェックしていた立ち食いうどん屋(そう、この用意周到さがこれまで俺の秘密を守ってきたのだ)に向かった。しかし、やっとの思いでたどり着くと、今日はあちこちで列車のトラブルがあったのか、カウンターの前には既に長い列が出来ていた。

「おうい、こっちこっち、早くしてくれ」

 店員の注意を引こうと叫んだが、直ぐに周りからクレームがついた。

「おとなしく待てよ、腹減っているのはあんただけじゃないよ」

「お願いだ、汁だけでいいんだ。汁だけ」

 少し脂汗が出てきた。まずいことになったぞ。これは明らかに発作の兆候だった。

「しつこいな、順番があると言ってるじゃないか」

 誰も同じようにイライラしているようで、俺への視線は冷たさを通り越して、とげとげしく、きついものだった。我慢、我慢。そして、ようやく俺の番になった。

「兄さん、素うどん頼むよ」

「お客さん、ここ、食券ですよ。入口でお願いします」

「えっ?」

「それに今、スープが切れたところです。しばらく待ってもらいますが」

 一瞬、頭が真っ白になった。全身の毛が逆立つ。何だって、まだ待たないといけないのか。もう駄目だ。

「あんた、うどん食うより、トイレに行った方がいいんじゃないかい、顔が真っ青だよ」

 うしろの若い男がからかったが、言い返す余裕はなかった。こうなったら確かに、トイレに篭るしかなかった。

 俺は店を飛び出し、一番近いトイレに急いだ。運良く、本当に運良く、ちょうど一つが開いたので飛びこんだ。荷物を放り出し、ベルトを緩めた。もう、身体から吹き出すものを抑えることは出来なかった。

「ガルルッ……」

 俺はズボンを下げ、パンツを脱ぎ、それから背広、ワイシャツと次々脱ぎ捨てていった。トイレの中が案外広かったのがありがたい。

「ガルルッ……グルルッ」

 これは安堵のため息だった。

 それと同時に変身が始まった。


 体毛が長く伸び始め、太くなる。その体毛は

黄毛と黒毛に変色して全身がまだらに染まる。顔が丸く膨らみ、耳が突き出る。口が大きく裂けて歯は尖り、牙となる。腰が長く伸びて次第に立っているのが苦しくなるので、床に手をつく。最後に尻尾が生えてくる。

 ここまでくると、もはやこの個室の中も広いとは言えない。膨れ上がった巨体で壁を押し破りそうになるほどだ。喋ろうにも舌は自由に動かず、ゴロゴロとくぐもった声が出るばかり。

 もし、今、誰かがこの個室を覗いたら肝を潰すであろう。巨大な虎が精一杯身体を縮めてうなっているのだから。

 一度、変身が起こるとあとは静かにこの興奮が去るのを待つしかない。それにしても、今回は本当に危ないところだった。

 俺は普通、こんなひどいヘマはしない。「発作」の来る時期はバイオリズムでだいたい予想できるので、そんな時は出張を作らないし、もしどうしても出かけざるを得なくなったらトマトジュースや唐辛子の瓶を用意する。でも今回は、週末まで大丈夫のはずだったので、何も準備せずに出張に飛び出したのだ。それが最後に来て……。全くひどい週の終わり方だ。


 思春期を迎えた頃、俺は初めて変身した。

 父親には聞かされていたが、最初は怖かった。俺の一族は簡単に言うと「虎族」だ。昔、手塚治虫の漫画に「バンパイヤ」というのがあって、かなり我々のことを正確に描写していたが、つまり人間と獣の両方の姿を持ち、いろいろな刺激で変身してしまう定めを持つ一族なのだ。

 誤解のないように説明するが、バンパイヤと言ってももちろん、今では血など飲まない。かつて、一族の中には変身で消耗するエネルギーを手っ取り早く補充するために栄養価の高い血をむさぼった者もいたらしいが、この食料の豊富な時代にはそんなものには手を出さない。ただ、俺も血と似た赤い液体を摂ると落ち着き、発作を抑えられるのだ。多分に精神的なものだろう。

 バイオリズムで月1回、その気持ちは強くなる。どうやら月の影響を受けているらしくて、よく言われる「満月の夜の狼男」と思ってもらえればいい。もっともまだ狼男と出会ったことはないが。でもきっと、世界中には様々な血を持つ一族がいるのだろう。

 子供の頃、変身は俺にとって恥ずかしいことであった。何とかしてこの衝動を抑えようとした。俺はいろいろ試した結果、真っ赤になるほど唐辛子を入れたうどんの汁が俺には一番効果のあるのを発見した。唐辛子の色と刺激が変身の衝動を抑えるのであった。

 しかし、一度はこの衝動を抑えることができても、やがては堪えきれなくなる時が必ずやって来た。そうなったら、深夜こっそり部屋を抜けだし、近くの公園や山に行って服を脱ぎ、自然の衝動に身を任せるしかなかった。山の中を一晩中走り回り、熱い血のたぎりを冷ますのだ。

 そんなことを繰り返すうちに次第に俺は自分の秘密とうまく付き合えるようになってきた。そして大人になりようやく、この「変身」も恥ずべきものではないと感じるようになった。何と言ってもこれは人間と動物を結ぶ太古の力、血のきづな、野生の証明だったのだから。


 俺の開放された気持ちは突然、ガンガンと扉の叩かれる音で現実に戻った。

「おい、いつまで入っているんだ。こっちも待っているんだぞ」

 まずい。しかし、今、出る訳にはいかない。俺は黙って、扉を叩き返した。

「何とか言えよ。あとどのくらい待てばいいんだ」

 外の男も急を要する状態らしい。困ったことになってきた。今、返事できるわけないじゃないか。俺はもう一度、少し強く扉を叩いた。

「ケツくらい適当に拭いて出て来い。出てこなかったらこっちから乱入するぞ」

 その若い男の声にどっと周囲で笑い声が上がった。遅れた列車に閉じ込められていた人間が一度に降りて、どこのトイレも満員になっていたのだ。外の男はまわりの声に勢い付き、ますます激しく扉を叩いたり蹴ったりした。薄い板は今にも蹴破られんばかりであった。

 変身状態はストレスや興奮が重なるとよりタチが悪くなる。今日の場合がそうだった。一週間のストレスが俺の変身衝動をより過激なものにしていた。それでもしばらくは気持ちを抑え、外が静まるのを待ったが、ますます騒がしくなるばかりであった。

 俺はしだいにトイレを占有している申し訳なさが消えて、怒りが湧いてきた。なぜ、そっとしておいてくれないのだ。理性が溶けていき、獣性が増大するのが分かった。そして怒りが正常な判断を超越した。

 俺は苦労して口でノブを噛み、静かに回した。男はドアが開くのに気づいて、待ちきれないように半分身を乗り出して、怒鳴り声を浴びせてきた。

「畜生、散々待たせやがって、てめえ、面を見せろ、面を……」

 外の男は俺を睨みつけてきた。いや、睨みつけようとしたらしい。しかしそこに想像もしなかったものを発見したのだ。男は自分の目が信じられなかったに違いない。男はヘナヘナと床にしゃがみこんでしまった。沈黙が流れた。


 俺は男を嘗め回すように見ながら、ゆっくり外に出ていった。今や野生の衝動が俺を突き動かしていた。もう、後戻りはできなかった。

 突然静かになったその男に廻りの人間の注目が集まった中に俺が出ていったのだ。静寂の時が続いた。俺は男たちを順に見まわし、舌なめずりをした。

 遂にその沈黙に終わりが訪れた。

「ト、トラだ!」

 入口近くにいた一人の男がやっとのことで声をあげた。そしてそのまま逃げ出した。その叫び声に呪縛を解かれたようにほかの男たちも一斉に走り出し、あるいは這いつくばったまま出口にもがき進んだ。

 俺はその流れに吸い寄せられるようにヌッと外へついて出た。

「助けてくれ!」

「トラが出た、喰われる!!」

 男たちは叫び続けたが、通路を急ぐほとんどの人たちは騒ぎに気付かずそのまま行き過ぎた。構内の雑踏に男たちの悲鳴もかき消されていたのだ。それで男たちは、自分たちが夢を見たに違いないと思い返し、もう一度、群集の方が正しいのか、自分たちの目が正しいのか、問いかけるようにこちらを振り返った。

「ガオーッ」

 俺は彼らの期待に応えて思いっきり大声で叫んだ。素晴らしい開放感だった。夜中にこっそり変身して山の中を走り回る時の比ではない。なんて気持ちいいんだ。

「ガオーッ、ワオーッ、ギャオーー」

 俺の雄たけびは東京駅の構内を波紋のように広がって響いた。

 そして俺の咆哮を追いかけるようにして、沈黙の波が全てを包み込んだ。あれほどあった雑踏の騒音は消えてしまった。東京駅が凍りついたかのようだった。何百という恐れおののく視線を感じ、身震いするほど興奮した。この総毛だった感情は当分、収まりそうもなかった。


 一瞬の後、静寂は千倍の騒乱になって爆発した。

「トラだ!」

「トラだ、トラだ!!」

「トラだ、トラだ、トラだ!!!」

 人々の中をその言葉が津波のように、竜巻のように駆け巡った。そして群集は一斉に、てんでバラバラに走り始めた。ここに何がいるのか本当にわかっていた者はほとんどいなかったに違いない。しかし、皆は走り出してしまった。パニックが始まったのだ。

 俺も群集の動きに呼応するように走り始めた。何処に行ってもよかったのだ。とにかく力いっぱい走り、叫び、全てを発散したかった。

 最初に飛び込んだのはさっきのうどん屋だった。さっきはご親切に。今となってはもう遅いぞ、唐辛子の瓶も汁の入った鍋も何もかもめちゃくちゃにひっくり返した。

 それから中央通路に走りだした。人はとにかくただ叫び、逃げ惑うだけだった。あまりの混乱に自分の方から俺にぶつかってくる者もいたくらい。一人の男が俺にぶつかった時、俺は反射的に爪で男の服を引っ掻いてズタズタにしてしまった。男を裸にしてしまった俺は悪いことをしたと反省して男の顔を舐めた。男は気絶した。

 俺は男をそのままにして悠然と歩き始めた。すると逃げ遅れ、もう走る気力も失った人々が慌てて服を脱ぎ始めた。どうやら服を脱ぐとこのトラには襲われないものと勘違いしたらしいのだ。やがて女性の中にも下着姿になるものが出てきた。みんな、必死なのだ。俺は可笑しいやら、可哀相やらで思わず笑った。もちろん、その声もグルルというトラの吼え声でしかなかったが。

 これはいい。何を叫んでもガオーッになってしまうだけ。

「ガオーッ」(部長の馬鹿やろう! 仕事の尻拭いくらい自分でやれ)

「グオオーッ」(客だったら何を言ってもいいのか、何様のつもりだ!!)

 一週間の鬱憤晴らしだった。


 もう一度、俺は走り始めた。こんな開放された気分になったのは初めてだった。

 中央通路を突っ切った俺は今度は東海道線のホームに駆け上がり、そこから線路を飛び越えて次のホームへ上がった。そしてホームの上を南から北まで走りぬけると、そこからまた地下に降り、総武線へ向かった。

 とにかく走る。俺の走る先で、ボートに水面が切り裂かれていくように群集に裂け目が出来ていった。俺は時々左右を睨みながら優雅に走った。また、行方を予想されぬよう、あちらの角で曲がり、またすぐ引き返し、上がっては降り、降りては登り、とにかく神出鬼没に走りまわった。そして、時々立ち止まって目の前の人たちを裸に剥くのだった。やがて、裸になればトラに襲われないようだと駅の放送が流れ、それからは俺の行く先々で皆、自分から服を脱ぎ始めた。

 かれこれ三十分は走りまわっただろうか。そのお陰でさっきまでのストレスはすっかり発散して、少しずつ興奮が醒めて来た。顔の周りのこわばりが減り、耳は通常の状態にしぼんできた。牙も少しづつ短くなり始めた。こうなると人間に戻るのも間近だった。

 頭も冷静に状況を考えられるようになってきた。そのうちに警察や機動隊も出動してくるだろう。お楽しみはここまでだ。

 そう悟った瞬間から頭がフル回転し始めた。どうやって逃げ出すかだ。

 俺は自分が変身したトイレを目指した。俺の服がそこにあるからだ。

 人々は相変わらず俺の前を逃げ惑っていたが、裸になったまま顔を伏せ、気絶したように動かない人間たちも沢山いた。数百人は下らないだろう。

 俺は新幹線ホームに駆け上がった。俺はあたりを見まわしたが既に人気はなかった。

 俺は物陰に行き、緊張を解いた。俺の身体は急速に縮み、人間の姿に返っていった。


「大丈夫か? 怪我人はいないか」

 機動隊が盾で身を守りながらホームに駆け上がってきたのはしばらく経ってからだった。

「大丈夫です。トラは線路を走って消えました」

 俺は哀れな被害者を装ってそう告げた。機動隊の面々は素っ裸の俺を見ない様にしながら、腕を振って下に向かえと指示した。男の裸など御免だと言う訳か。

下では被害者たちが何人かずつあちこちに集まって、怪我の手当てや衣服の着替えの世話をしてもらっているらしい。だが、俺はそちらには向かわず、よろめくように階段を降りて、全ての始まりとなったトイレに向かった。

 ありがたい、誰もいなかった。トイレの中は俺が出たときそのままで、荷物もそのまま残っていた。俺は急いで服を身に付け、カバンを手にして歩き出した。頭はザンバラ髪で服もヨレヨレ、でも格好を気にする必要はなかった。

 通路のあちこちにまだ荷物が散らばり、上着や靴も散乱している。相当な騒ぎになってしまったが、まあ無理もない。金曜の夜の東京駅にトラが出現したのだから。ひどい怪我をした人がいなければいいのだが。

 しかし、正直なところ、生まれたままの姿で走り、叫んだ開放感からくる満足の方が大きかった。きっとまだ、獣性が幾分か残っているのだろう。

 結局、京葉線快速が東京駅を出るまで三十分待った。その頃には駅の放送で、転んだりして怪我人は多数出たが重傷の人はいないというのが分かって、俺は良心の呵責をちょっぴり軽くすることができた。

「トラは姿を消しましたが、決して油断せず、早めに東京駅を離れるようにしてください。負傷された方、衣服の替えが必要な方は最寄の駅員にお尋ねください」

 そんなアナウンスが何度も繰り返されており、俺も人々の流れに乗って東京駅を後にした。電車の中にも着衣の乱れた男女が沢山いたが、みんな自分の格好を気にしている様子はなかった。誰もがトラの話をしていて、自分がどこまでトラに近づいたかということを競っていた。

 東京駅で「変身」が始まった時には大変なことになったと青ざめたが、終わりよければ全てよし、この爽快感は何とも言えなかった。これは癖になるかもしれないな、と思いつつ俺はそのまま眠りこんでしまったようだ。



「やっと間に合ったな。今夜は来ないのかと思っていたよ」

 日隈がニコニコしながらグラスを上げて迎えてくれた。俺が店に着いたとき、約束の時間をすでに一時間過ぎていた。

「俺がこれまで例会をすっぽかしたことあったかい?」

 日隈の嬉しそうな顔を見て俺もようやく、くつろいだ気持ちになった。

「また店にテレビを持ち込んでいるの? だんだんここも居心地が悪くなるねえ」

 俺はママをからかうように大げさに口を尖らせながら乾杯のグラスを合わせた。

「今夜は特別よ。大河ちゃんは知らないの、さっきまで臨時ニュースをやっていてすごい騒ぎだったのよ。東京駅で」

「知ってるさ、トラ騒ぎだろ。まさにその真っ只中にいたんだぜ。俺も襲われて、素っ裸にされた一人さ」

「えっホント!聞かせて聞かせて。途中から急に映像が途絶えたの。トラの存在は確認できないとか、集団ヒステリーが原因ではないか、なんて言い出して、へんなの」

 ママが少し不満そうに口を尖らせて聞いた。

 俺は首を傾げた。映像がないとはどういうことなんだろう。間違いなく、多くの監視カメラに俺の姿は映っているはずなのに。もちろん、集団幻覚としてくれたほうがありがたいのは確かだが。

「でも見たかったなあ、大河さんのお尻。おじ様にしては引き締まっていてカッコいいんだもの」

 エミがちょっと茶化すように言った。

「まあな……」

 俺は肩をすくめてエミの少し潤んだ目に気づかない振りをするしかなかった。

 お褒めの言葉はありがたかったが、まだ尻にシッポのなごりが残っている俺としては、彼女の要望に応えるわけにはいかなかったからだ。



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