対詩・流れ

 生きたかった


 生きていたかった


 もっと長く もっと永く


 見たかったモノがある

 ―もう一度と願う

 知りたかったモノがある

 ―チャンスをください

 伝えたかったコトがある

 ―まだ まだ


 永遠は望まない

 けれどあと少し もう少し

 せめてこの言葉が言い終わるまで


 けれど死んでしまった


 伝えられずに 僕は一人だ


 待とう それしかない

 いつかのその日が来るまで


 そしてその日がやって来た

 けれど全てが変わっていた


 見たかったモノは壊れていた

 ―どしてなのだ

 知りたかったモノはとっくに知っていて

 ―なぜ

 伝えたかったヒトは居ない

 ―チガウ チガウ


 ただ生きていたかった数十秒を

 数十年分も得たというのに

 その代償が コレだと言うのか


 あんまりだ

 あぁ この世界で

 生きたかった僕の生きたかった理由わけ


 何だったのだ



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