一寸先は

一寸先は闇

何かあるかもしれないが

何も無いかもしれない

そもそも一寸先もあるのか

それすら分からない


一寸先は闇

怖くて足が震えているのか

武者震いで震えているのか

いっそ寒いのかもしれないと

腕を摩ってみるのだ


一寸先は闇

途方に暮れているのか

光を見つけたのか

ただただ映り込むのは

自分が見えているものだけだけれど


一寸先は闇

きっとは信じなれない

必ずも信じられない

でも踏み出す以外に手は無いのだ

背後もただの闇だから


一寸先は闇

ならば二寸先はどうなのだろう

更にその先はどうなのだろう

覚束無い足元と

消えてしまいそうな提灯を下げて

僕は半歩前へ出た

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