ココロの真ん中
秋霖
第1話 ココロの真ん中 現と想
幼い頃から空想の世界を思い描くことが好きだった。
現実では起こりえないこと、たとえ何十年何百年かかっても
起こりえないこと、人が到達できないこと。
かと思えば、日常的の中の非日常を作り上げてみたり・・・
けれど、その世界の中心は自分ではなく、別の誰かであったり、
または既に存在する物語の中に飛び込んで、登場人物としての
自分の存在を確立させてみたり・・・。
それはただ単に、現実に存在する大嫌いな自分ではなくて
ありもしない自分を作りあげて「自分」ではない『自分』になりたかった。
きっと空想の世界になりたい自分を作り、好きになりたかったんだ・・・。
今も昔も変わらず描き続けている空想の世界・・・。
描かれている自分は、明確にこうありたい、こんな風になりたい、という形はない。
なぜなら、「自分」以外の『自分』であればそれでいいからなんだろう・・・。
現実でも、空想でも、自分自身の存在は案外あやふやなもので、
どちらも似たようなものなのかもしれない。
それにしても、誰も違和感を感じないのだろうか?
何も疑うことなく、この現実を生きている。
この世界も気づかないだけで、
誰かの空想の世界かもしれない。
描いて、綴って、完結することなく飽きてしまうかもしれない。
結局、思い描くことも多くの経験や知恵がなければ色も形もつけられない
そこに作り上げた物語には、多くの人がいて、建物や草木、空に海に踏みしめるための大地が存在している。
もしも途中でこの物語が途切れたら、
誰か物語を完結させてくれるのだろうか・・・?
それは物語に出会った人のみしることかもしれない。
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