4章

未来

風が涼しく感じる。いつもの様に私はキッチンに立つ。作家をやめて3年は経つ。以外に暇な毎日を過ごしている。

「愛華ー」

優しくどこかまだぎこちなく呼ぶ彼の声が聞こえ彼の方に向う。彼は甘えたいのか手を伸ばしてくる。そんな彼の頭を撫で抱きしめてあげると彼は私の胸の中で安心したように愛してると呟く私もと返すと彼は幸せそうな顔をする。離れるともっとと言いたそうな顔をしている。さすがに晩ご飯を作らないと行けないためまた後でと言うとわかったとむすくれて机の上のパソコンに向かっていた。

高校生になっていろんな事が起きていつの間にか光永と結婚していた。すごく幸せで嬉しく楽しい毎日。

「愛華ー」

愛しい人にまた呼ばれる。本当にこの人は寂しいがり屋だ。光永の所へ行くと一緒にテレビを見てほしいらしく隣に座ってというジェスチャーをしていた。ジェスチャー通りに光永の座っているソファーの隣に座ると膝に頭を乗せてくる。いわゆる膝枕だ。愛華ーと言いながら膝にいる。そんな光永の頭を撫でる。

「愛華ー高校生の時のこと覚えてるかー?」

「うん」

覚えてる。忘れるわけがない。

「愛華、最初は素直だったのに付き合い出した時はすっげぇツンデレで可愛いかったなー」

「なっ!ツンデレじゃない!馬鹿なの!」

「うん、今でも少し出るよね可愛い。」

「うっさい!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る