『炭酸の泡になる』

理佐ちゃん

第1話

炭酸の泡になっていたら、僕の人生はどうなっていただろう?


シュワシュワの泡になって、浮いている

上へ、上へと登っていく

ハシゴなんかはナイ、重力なんかは関係ない

何も考えずに、ただただ昇っていく

朝日がなぜ朝になると出ていくか聞くのと同じ、

僕は泡だから上へ行く


そうして頂上へ到着する

頂上には僕と同じような人たちがいる

テッペンしか見えていなかった人たちが混乱している

このあとどうすればいいの?と聞いているように

道に迷った人で大渋滞している

そうして一部の体育会系の人たちが空へと、

ぽん!ぽん!弾けていく

高く、高くと飛んでいく


でも、所詮僕たちはただの泡

ひゅーと落ちて、ぽちゃん

落ちた彼らは消えていく

どこへ消えたのかと人は驚く

でもまた人々は気にせずブラブラする

僕も一緒

消えた彼らのことは気にせず

ただただ彷徨い歩く


そうして飽きて僕も消える

新しい泡が飛び出てくるが、僕はいない

これが泡の人生だ

泡でも、人でも、鳥でも、ライオンでも

消えたら驚く

でも忘れて気にせず生きる


炭酸の泡になっても

一人の人間になっても

一羽の鳥になっても

一頭のライオンになっても

弾けて終わり

この話のように。

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『炭酸の泡になる』 理佐ちゃん @Risa-chan

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