この世界から『俺』という存在が無くなったら

タツノオトシゴ

プロローグ

 「...ここどこ?」

 目が覚め、意識が覚醒した瞬間に思った。

 「いつもの天井じゃない。」

 そう言いながら頬を叩いてまだ寝ぼけていることに期待をする。が、それは事実だった。寝ぼけてなんかいない。

 「やべぇ、学校どうしよう。あーでも、あんなことされた翌日に学校とか行きたくねーな。あいつの顔も見たくないし。」

 今日の朝、俺は高校入学以来からよく絡んでいたやつと本気でぶつかりあった。物理的にではなくてね。きっかけは......なんだっけか?そこだけの記憶が曖昧だったが、仲直り出来るほどの易しい衝突では無かった。物理的に衝突したんじゃないぞ?大事なことなので二回言いました。

 見ず知らずの場所にあるベッドの上で昨日までの記憶を掘り起こし、こう仮定した。

 『もし、あの最悪な世界から俺の存在が無くなっていたら』

と。

 そしてその結論は

 『俺はあの世界の勝ち組』

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