ご近所スペースオペラ おとなりエイリアン
福本丸太
プロローグ
様々な人間関係において真に得がたいものは何か。
友人、恋人、配偶者。父、母、息子、娘、兄、姉、弟、妹。それらは人生のずっと後になっても手に入ることがある。しかしどれだけの努力やいかなる奇跡を用いてもあとからでは決して手に入れることができないものが一つ。それが幼馴染。双子ならあり得る生き別れさえ、幼馴染には通じない。
俺、
真実を知ったのは七年前。当時俺は五歳で、山の中虫取りの最中足を滑らせ木から落ちた。幸い土の柔らかい所に落ちたおかげで大した痛みもなく、生え変わりでぐらついていた歯が弾みで抜けたことに感動すら覚えたくらいだ。
ただ擦り傷ができていて血の滲んだ膝を抱えた俺のことを指差し、そいつはこう叫んだ。
「タカくん宇宙人だ! 血が変だよ!」
隣家との間に立ちはだかる種の壁は高く複雑に、こちらとあちらを絶望的に隔てている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます