DURL本部
「いやー、びっくりしたよ。ココロが裸の女の子を拘束プレイして持って帰ってくるなんて」
ケラケラと部屋に笑い声が響く。
「ドクター、からかうのはやめてくれ」
気だるそうにココロは今までの経緯を思い出しながら、頭を抱えた。
当然ココロは女性用の服など持っていなかった。しかし、裸で移動するわけにはいかないと、ミロクに服を貸そうとしたが、彼女はそれを拒否。
そのおかげでココロは彼女を見る場所に悩み苦しみつつ帰ってきたというわけだ。
「あはははは。しかし、完全不死化した験体ねぇ。にわかに信じられないけど、ああ、その機械に腕を通して、そうそう。あとは勝手に血液採取するから」
「わかりましたわ」
未だに裸のミロクは自動血圧測定器のような機械に腕を通す。プシュ、と音がなり、血液採取が開始される。
「よしよし、データデータっと……うわ、こりゃホンモノだわ。ココロ、彼女ホントに完全不死者だ」
データを読み取ったドクターは感嘆の言葉を述べる。
「だから言っただろう。散弾銃の爆発散弾を四回撃っても生きていたんだぞ、ミロクは」
「なるほど、験体666だからミロクか。語呂いいね」
ココロの言葉を無視してドクターはミロクの名前をほめる。
ミロクも喜ぶように「良い名前でしょう?」と言葉を返した。
「で、ドクター。この子はどうすればいい? 冷凍保存か、それともホルマリン漬けか?」
「やだココロ。そんなマニアックなプレイが好きだなんて」
「壊すぞ、思いっきり」
ココロは拳を白くなるまで握る。ドクターは冗談冗談と笑った。
「はっきり言って僕からはなんともいえないなー。なんせこんなケースは初めてだし」
んー、と考える声が聞こえる。
「あ、そうだ。ココロ、ミロクと一緒に住んで監視してよ。しばらく施設破壊の任務を解くからさ」
しばらく考えていたドクターから、爆弾発言が飛び出した。
「なんだって??」
その内容をココロは理解できていなかった。
「つまりは、休暇と部屋を与えるから同妻しろってこと」
「……ちょっと待て。なんで僕なんだ」
「えー、だって今他の人出払ってるし」
「誰もいないのはいつもの事だろ。大体、普通は本部が監視責任を負うものだろうに」
「だってー、こんな規格外の子を僕ら相手できないしー」
「……まさか、面倒を押し付けたとかじゃないよな?」
「そんなまさか!」
白々しい否定。ココロの突っ込む気が失せる。
「ねぇココロ」
不意にミロクの声が聞こえる。反応してココロはミロクの方に向こうとしたが、今の彼女の姿を思い出してそれを止めた。それが間違いだった。
ココロの肩に冷たいものが乗る。ミロクの腕だった。そして、ココロの背中にやわらかいものが当たった。
「ミロク、やめ「止めてほしいなら、わたくしと一緒に住んでくれます?」
ミロクの腕に力がこもる。背中に当たる感触で精神がピークを迎える前に、
「……分かった、分かったからこの腕を解いてくれ!」
ココロの心は折れた。
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