第40話「下水道の主」


 夏の帝都はアバンステアの中でもかなり暑い。


 ヒートアイランド現象とは言わずとも都市化された地域の多くは熱が逃げ難い構造になっている。


 それを近隣の大規模河川からの水源で緩和している為、上水道以外の地下にある下水道とは区別される小規模な人口の川は帝都のあちこちにある。


 基本的に遊泳及び緊急時の取水用であり、生活用水を取るのは禁止。


 上水道は帝都の地表を石作りの水道で走っていて、最終的な排水は下水道に流れていく仕組みだ。


 一応、土に還る生ゴミは共同集積所で集め、帝都郊外の農園の奥にある場所に埋める事になっている。


 肥料にするのがルールであり、排泄物と洗い物や洗濯の排水だけに下水道は使われている。


 下水処理施設というのは一応有るらしいのだが、調べてみると国外から輸入したバルバロス……何だか粘液系生物っぽいものが使われている事が解った。


 帝国では殆ど見ないバルバロスであるが、実際には生活水準の維持に貢献するようなものが大小少しずつ帝都内では見えないところで使われているようだ。


『なぁなぁ、これ何処まで続くんだ?』


 カンテラを持ちながらデュガが訊ねて来る。


 上下水道の管理局から情報だけは出て来るのだが、実地で見ないと色々と見逃しもあるだろうと本日は学院終了後、デュガとゾムニスを連れ立って、地下の下水道に繋がる通路へと潜っていた。


『最深部までだ』


 下水処理施設まで流れて来る下水は夏場だと発酵しており、恐ろしい臭いのガスが発火する危険もあるらしい為、夏場は入れないとの規則は曲げさせた。


 本日は研究所で造ったゴムを用いる頭部もすっぽりな全身防護服とガスマスク。


 カンテラも生物発光を利用する代物を用いている。


 帝都内で火を使わない明かりを灯すのは国外製のバルバロスの一部を加工したらしい代物だけだった。


(まぁ、たぶん大丈夫だろ……)


 一応、放射線の類ではないかと数十m先から操作する簡単な装置でカンテラを放射線を遮る金属のお椀状のカップを被せたりして調べた。


 すぐに引き上げられる安全装置や水を大量に入れたブロックを幾つも積んで使ったので杜撰な放射性物質の研究事故みたいな事は起こっていない。


 大丈夫そうだったので採用したのは合理的な判断だ。


 と思いたいところである。


 中身が何かよく分からないものも危険そうでなければ利用する。


 これは現代でも同じだ。


 飛行機の揚力がどうして生まれるのか知らなくても飛行機は飛ぶし、世界の物流に大きな影響を与えていたのと同じだ。


『それにしても仮面越しでも臭って来そうだ』


 そう呟いたのはゾムニスだった。


 完全に現代ならばバイオハザード、ケミカルハザードな場所に乗り込む防護服姿の屈強な男……みたいな衣服にゴム手ゴム長のゾムニスは極めて歴戦の処理班な感じに見える。


 彼に言う通り、メンテナンス用の地下通路の下水路にはプカプカとアニメだったらモザイクが掛かりそうなものが何でも大量に浮かんでいた。


『帝都は元々興国時の騒動で過去にあった国の首都を用いてる関係上、かなり古い設備を増築して再使用してる』


『古びれた設備も道理だと言う事かい?』


 ゾムニスに同じ姿で頷く。


『帝国の大本となった3国。ザマド、エルゼギア、クルシテーナ。特に最大の国力を持っていたエルゼギアはアバンステアの前身としては国土の半分くらいにもなる』


『小さい頃に大人達が新興国の報で顔を強張らせていたのを思い出すよ』


『それが現在のアバンステア帝国の首都なわけだ。旧来のエルゼギアも土木工事に関してはかなり生活用途の大規模建築が進んでた』


『その名残を今も使っているわけか……』


『そういう事だ。帝都の半分は興国後に造られたが、それでも治安の悪い郊外って言うのも従来の生活に必要な施設が延長されなかったから産まれたと言われてるな』


『……アバンステアは帝都の改築に金を惜しんだって事かな?』


『その分を全て軍備増強に充てて、神速で周辺国の併呑を行った。3年くらいの休憩を挟みながら都合9回。この30年で併合した国々は両手の指じゃ足りないな』


『つまり、休み休み戦っている帝国の国倉はカツカツだと?』


『その金が全部回されてれば、今頃帝国は世界最大の都市圏を持つ国家になってただろう』


 雑談しながら歩いているとようやく最奥部らしき空間が見えて来る。


『此処から先は気を付けろ。落差40m以上の大合流部だ。元々あった地盤沈下した洞窟を使ってるらしい。その下にある排水路だけで帝都の排水の殆どを浄化して河川に運んでる』


『銃を持って来る程に危険なものが住んでいる、と?』


『死にそうな時以外は絶対使うなよ? ガスに引火して爆発する。自爆覚悟以外で痛いのは勘弁だ』


『痛いで済めばいいが……』


『今日はあくまで視察だ。その生物が何かに使えそうなら、採取して来ようと思ってな』


『情報なら水道局から取り寄せればよかったんじゃないかい?』


『生憎とこの水道の浄化設備を最初に作ったのはエルゼギアの技師だったようだが、帝国には不満があったらしくて詳しい事をはぐらかしている間にポックリ寿命で死んだらしい』


『つまり、中身は分からないと?』


『興国時に重要書類は破棄されたが、技術者は必要だったから、続投してたらしいな。で、取り敢えず浄化設備の補修技術と継続して使う為の方法だけ継承して、中身は分からないまま……って事らしい』


『おお、これが水を浄化してるバルバロスか? でっかいなー』


 先行したデュガに続いて広い円筒形の空間の端。


 鉄製の円周状に回る壁面回廊からは巨大な排水路の合流部が見えた。


『―――これが帝国下水道の主、か。思ってたよりも大きいな』


 大量の汚水が流れ込む巨大な穴の中央部。


 淡く発光する生物らしきものが粘体状の身体を揺らして、クラゲの頭部だけのようにフワフワ浮いている。


 だが、問題は思っていたよりも相手が大きいという事か。


 直径で15m以上はありそうだった。


『情報によるとあのバルバロスは汚水の中のたぶん有機物。つまり、人糞とか食べ物の粕とか、屎尿とかを食って自分の体を維持してるらしい』


『んん? なーんか見た事あるような? 無いような?』


『知ってるのか? デュガ?』


『ええっと、アレなんだっけ? 確かノイテが前に教えてくれたような~~う~~ん?』


 首を捻るデュガが思い出せずに腕を組んで固まる。


『まぁ、後で聞かせてくれ。取り敢えず、アレは基本的に分割されても増えるそうだ。ついでに一定の大きさになると分裂して汚れた河川なんかで主食の有機物や細かい無機物を摂取して太りって事を繰り返して個体数を増やしてるらしい』


『単体で増えるのか? 正しく、怪物だな……』


 ゾムニスが発光するクラゲっぽい何かを手摺越しに見やる。


『分裂個体は危険でも無く。川や海に漂着して食べられる有機物が無いと身体を食い潰して小さくしながら生きて、最終的に有機物を取り込む際に一緒に取り込んだ無機物。つまり、石とか鉱物の塊になる』


『塊?』


『ああ、再び取り込めるくらいに細かくて柔らかい有機物。つまり、糞尿や食べ粕、森の動植物の死骸が取り込めるようになると水分と一緒に摂取して今の状態に変化するようだ』


『今日の仕事内容は……』


『そうだ。お前に持たせたバケツで一番大きく為る分裂期の今だけ発生する分裂個体を掬って、デュガの持って来た箱型の容器に入れて回収する』


『釣りみたいなものかな?』


『すぐに終わる簡単なお仕事だろ?』


『そう願いたいな……』


 いつまでも頭を悩ませているデュガにもういいからと仕事を共に始めさせる。


 持って来た細くもしっかりとしたロープは溶かしたプラスチックを沁み込ませて塗った代物で従来よりも強度がある。


 ついでに鉄の格子に取り付ける形の極太リールがあれば、後はソレを回して獲れたバルバロスを回収して撤収するだけだ。


 まだどうだったっけと唸っているデュガを横に機材を設置してリールに縄の入ったドラム缶型のロールを接続。


 重り代わりのバケツを付けて一気に真下の光る大きなクラゲの周囲にボチャンと落とす。


『底って見えるのか~?』


 デュガが鉄格子から顔を下に覗かせるが、発光しているバルバロスしか見えない。


『分裂個体はかなり小さいらしい。一応、自分達の餌にくっ付いてるって話だから、箱の半分程度に水を入れたら、そのまま帰宅だ。連れてなかったらもう一回』


『おぇ~~~』


 デュガが嫌そうな顔になる。


 小脇に抱えた中くらいの箱は内部が頑丈に造られており、上からひさご状の器具で液体を受け止めて箱内部に溜める仕様だ。


 何回も此処に来るのは勘弁して欲しいというのは誰でも同じに違いない。


 こうして数分後にはバケツが引き上げられ、ジャーッと見えるんだか見えないんだかよく分からない個体の捕獲が開始される。


 そうして十数分後。


 ようやく箱が汚水で半分程満たされたのを確認して、注ぎ口を密封。


 さっさとその場を後にしようと歩き出し―――。


 広大な汚水で満たされた洞窟内に大きな鳴動が奔った。


『何だ!?』


 思わず振り返ってバルバロスの方を柵越しに見ると。


 下の方で巨大な頭部が明滅していた。


『ああ、その躰、祖なる者に列なりし殻の一つなり、だっけ?』


 デュガがその姿を見て、何かを思い出したかのように呟く。


『どういう事だ!?』


『ええと、ウチでは見なかったけど、近くの国で使われてたバルバロスのはずだぞ。その国、長い歴史があって、ウチといい勝負らしい』


『で? 思い出したのか?』


『うん。バルバロスの中で最弱。でも、絶対に人間には突破出来ない護りの要、だったっけ?』


『竜の国が突破出来ない? 航空戦力すら無力って事か?』


『まぁなぁ。その国が背後に在ったから、ウチ常に連隊規模の守備隊張り付けてなくちゃ行けなくて、全力で戦えた事無かったんだよなぁ』


『強いのか? というか、今の状況は何なんだ?』


『ええと、ノイテが言ってたぞ。結局、対人間最強の護りだから、バルバロスだけで攻めても意味が無いって。あいつの身体に敵対者が触れると数日後には全身から血を噴出して死ぬらしいぞ』


『毒か?』


『ええと、何だっけ? 自分の体を治す働きをあのバルバロスが暴走させるとか? だから、どんな躰を治す薬も効かないって話だったような……』


『(免疫系を攻撃する? それとも免疫過剰でサイトカイン・ストームでも誘発するのか? マズイな……そんなの今の薬品程度じゃ防ぎようがないッ)』


『幾ら攻撃しても時間で再生するし、国中に配置されてるから、不用意に責めて行軍中に部隊が接触したら壊滅……その時の記録だと明滅した敵は攻撃形態になるって話だったはず……』


 話は分かった。


 一応、攻撃された場合の対抗策になりそうな手段は幾らか持って来たが、此処で2人を失うわけにも行かない。


『毒が利かないし、無限に再生するバルバロスか。粘菌の類だと有難いが……まぁ、これで死ななかったら、焼き払うしかないな……完全駆除出来るのかどうか怪しいが……』


『勝てるのか? ちなみに明滅した後のアレは自分が戦った一番強いものの姿を模倣するとかノイテが言っ―――』


『……逃げるなら早くした方がいい!!』


 ゾムニスの顔が引き攣っている事は間違いない。


 巨大な空洞の中央。


 明滅したソレが変形していく。


 流動して伸びたソレが爬虫類のような形を取った。


『あ、ウチの師団長クラスが使ってる【貴黒竜ニグラ・ドラク】だぞ。アレ』


『はぁぁぁ(*´Д`) ゾムニス……装備を置いて、その箱を持って走れ。それと外に出てからすぐに渡した薬品で衣服を洗浄。その後に待たせてる馬車から黄色い装備を持って入り口で待ってろ』


『大丈夫か?』


『すぐに逃げるが、逃げる前にコイツを大人しくさせる。このまま暴れられて帝都に被害は出せない』


『分かった。後は頼む』


『おー大丈夫だぞ~~』


 ゾムニスが箱を担いで走り去っていく。


『で、どうするんだ?』


『自在に形を変えるクラゲっぽい代物、生物群もしくは粘菌類。今回の装備はそういうのに対しての戦い方の一つだ』


『ん?』


 何でそんなのを言うのだろうと首を傾げられた。


『知ってて損は無い。もしも、オレが死んでも戦い方くらいは知ってる方がいいだろ?』


『死なせないぞ?』


『知ってる。粘菌とか群体生物の類に一番効きそうなのは今のところは駆除用の薬剤。もしくは―――』


 竜が吹き伸びて、こちらの手前8mまで首を伸ばした。


『コレだ』


 ゾムニスが背後に背負って来ていた装備。


 タンクを開く。


 すると、ほぼ同時だった。


 次々に黒い煙が噴き出して大量に空間に広がっていく。


『何だコレ?』


『逃げるぞ。これでダメなら薬品に切り替える。走れ!!』


 煙りをそのままに2人で来た道を走り出す。


 それを折って来るのは明らかに実態を持った光る竜の頭部。


 クワッと口を開く様子は正しく本物にも引けを取らない迫力。


『全然、効いてないぞぉ~~!!?』


『時間が掛かるんだよ。だから、とにかく逃げて時間を稼ぐ!! 地下の地図は全部頭に入れて来た。其処を左!!』


『どれくらい逃げればいいだ!?』


 後ろには未だ竜の頭部がいる。


 それは人間が走るよりは遅い速度だが、それでも100mを30秒くらいで追って来る。


『生物に対して一番強いのは相手を屈服させる生物だ。それが動物か植物か。そういう程度の違いしかない!!』


 相手を背後に見ると、僅かだが、動きが鈍り始めていた。


『後、3分は逃げろ!!』


『うえぇ~~~この通路行き止まりとか無いだろうな~~!?』


 げんなりした様子で走り続けて数分。


 ようやく竜の頭部の明かりが後方30m程で停止したのを確認して一息吐く。


『助かったぞ。うぅ……こんなところで偽竜に襲われるとか!?』


『ちなみにさっきの黒い霧みたいなのはバルバロスの一種だ。近頃、リージが輸入したヤツだな』


『バルバロス? 霧の?』


『いいや、極小の蟲の大群だ。主に森で腐葉土や菌糸、粘菌類を主食にしてるらしい事は解ってたヤツで土壌改良用だ。森の動植物に害は無いが、一定以上の鉱物を含有する有機物を捕食する』


『そ、それってバルバロスを喰い尽すって事か?』


『ああ、大陸の南端付近にはバルバロスがいない国が幾つかあって、その大半は肥沃な森で人が生活してるらしい。バルバロスのいない理由が対バルバロスな蟲型バルバロスの主要生息地帯だからって話だ』


『お、襲われたりしないのか?』


『蟲が嫌がる匂いとして煤や煙が有効らしい。集める時は鉱物を燃やしてもいいらしくて駆除も簡単だ。増える方法は卵だが、出産は年に1回……食ったバルバロスを糞にして体外に排出する時、その細胞に対して有害な毒素を生成する、らしい』


『何か妙にこの服、煤で汚れてるのはそのせいなのか……でも、それも危なくないか?』


『鉄分の多い食い物を死ぬほど喰わなきゃ人間を食う事は無いらしい。どうやら、完全に沈黙したようだな。少し近付くぞ』


 見れば、もう明滅は収まっていた。


 近付いて行くとズルズルと再びクラゲっぽく変化したソレが黒い霧に集られながら合流部に戻って行こうとしていた。


 その表面は蟲に集られ、斑模様だ。


『食われたからって大人しくなるもんじゃなかった気がするぞ……』


 肩を竦める。


『予め、蟲にはバルバロスの腐肉に大量の神経を鎮静する人間用薬剤を与えてみた。こいつらはどうやらバルバロスを喰らう為に身体が特別らしくてな。殆どの毒が効かない代わりに毒そのものは保持して狩る対象生物相手ならば、これで効くだろうって薬物を濃縮して蓄えるようだ』


『もしかして実験してたのか?』


『一応、ネズミとか。その類で実験してたからな。尊いネズミさんの犠牲には敬意を表して、研究所の横に慰霊碑も立てたりした』


『それにしてもバルバロスに普通の薬って効……いや、効くのもあるんだったぞ』


 デュガが思い出したのは黒くて大きいアレの事だろう。


『生物である以上、その仕組みに効くだろう薬なら、人間用でも幾つかは効果があると踏んだ。専用品を開発中でもある……それにしてもどうして襲われたんだ? 水道局からは完全に大人しいヤツだって聞いてたんだが……』


『あ、思い出した?』


 デュガがポンと手を打つ。


『確か襲われる理由の大半が自分の一部を持って行かれる時だって聞いた気がするぞ』


『どういう事だ?』


『ええと? 得物を追い立ててより遠くに運んでもらう為とか。そういう話だったような?』


『つまり、分裂期になる夏場は危なくて入らなかった職員は生態なんか知るわけがないと……分裂するよりも小さい段階で飼育しなきゃな……生存戦略なんだろうが、そのせいで今日はドッと疲れた。はぁぁ(*´Д`)』


 息を整えつつ、来た道を戻っていく相手を見やる。


 もしかしたら、早めに怒りが解けた気がするのはバルバロスが一定距離をこちらが逃げた点も理由の一つなのかもしれない。


『ん?』


 腕が振り上げられた。


 勝手に―――。


 ゴムを貫通して何かが腕にブチ当たった瞬間。


 シュウシュウと音を立てて、その遠方から猛烈な振動と共に何かの絶叫なのか。


 あるいは巨大な施設が立てた猛烈な遠吠えのような洞穴から吹く声のような何かが響いて、細長い光の速さにも思える細い糸が急激に萎びて力を失っていく。


『フィー!?』


 思わずデュガがこちらを庇うように剣を構えて、遠方を見やるが……その吠え声の主だろうクラゲ的なバルバロスは……巣に戻っていく音すらも聞こえなくなっていた。


『……狂暴過ぎだろ。当たってたら死ぬだろ。あの攻撃……細胞が柔軟でゴムみたいに反発させて発射したのか? 一瞬当たれば、数日で殺せる……そうか。同族が最も強い個体の周囲で安全に繁殖出来るようにって話なのか?』


『大丈夫か!? フィー!!』


『ああ、腕が反応して無かったら、今頃躰の何処かを貫かれてたな』


 ゴムの内部から破けたスーツ。


 片腕は今も変質した状態のままだった。


『早く出よう。次は正直防ぎ切れるか分からないしな』


『し、心臓に悪いぞ。そう言えば、逃げ帰った連中が何かに刺されたような傷があるってノイテも言ってた……』


『そう言うのは出来れば、次から早めに思い出してくれ』


『ちょ、ちょっと忘れてただけだぞ!!』


 肩を竦めて、デュガに警戒して貰いながら、近場の整備通路からようやく外に出る事が出来たのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る