第83話「助太刀」

 こちらの事は船内のカメラで監視しているのだろう。


『まずは見る事に徹して下さい。こちらは時間さえあればいいのです。粘る事を最優先に』


 少なくとも変態妖精の攻撃への対処指示は的確だった。


「ヌゥウウウウウウンッッ!!!」


 バリケートの残骸を弾き飛ばすように突撃してくる敵は限りなくマッチョだ。


 圧倒的な筋肉に裏打ちされた攻撃。

 真正面から受けたら、押し潰されるのは目に見えている。

 周囲の足場が悪い為、速度が然程でもない事が救いか。


 刃片を手に突きの姿勢でこちらを眼光鋭く睨むグラサンの下の瞳は完全に殺意の塊と化していた。


「ッ」


 日本刀は重いものであるが、然して動くのに支障は無く。

 刃が持たれている方の腕とは反対側へと避ける。


 同時に床の散らばったバリケートの残骸を蹴って相手の背後へと回り込み。


 振り返る前に鞘毎引き抜いた刀で相手のがら空きの胴を凪ぐ。

 コレを相手は真横に飛ぶ事で回避。


 しかし、その場所には残骸の破片が散らばっており、着地時に態勢を崩す。


 ただの打撃だと警戒していなければ、相手は反撃に移っていただろうが、刃を引き出さずに攻撃してきた事に少なからず疑いを持ったのだろう。


 何かしらの仕掛けなんて無い。

 ハッタリだ。


 ついでにもし受けられた場合に刀が折られるのを心配したというのもある。


 元来、日本刀というのは実用品として製造されてきた。

 しかし、だからと言って使い捨ての乱暴に扱える武器ではない。


 西洋の押し切る剣とは違って、日本刀は切れ味を必要とする斬り裂く武器だからだ。


 実際に真剣による刃と刃の鍔迫り合いのような状態を昔の達人達は嫌っていたとも言われている。


 理由は単純に斬り合いの最中で刃が欠けるのを避ける為だ。

 業物だろうと武器である以上、日本刀は壊れる。


 人間を数十人斬ったくらいなら油で切れ味を落とすくらいで済むだろうが、兜割りなどの例に漏れず。


 金属製のものを斬ると刃もさすがに磨耗しないわけにはいかない。


 また、研磨された状態を維持していなければ、切れ味は当然のように落ちるし、相手のブレードがよく切れる金属製で刃は代えがきくと聞いた時点で攻撃を直接刃で受け止めるような選択肢は無きに等しかった。


 まだ、敵の衣服がどれだけの防刃性能を秘めているかも分からないのだ。


 安易に武器を駄目にするかもしれない斬り合いよりは打撃武器として使った方が賢明だろう。


「フン!!」


 変態が膝のクッションを利用して、体勢がそれ以上崩れぬよう保つ。


「ガスを心配して銃を持ってこなかったようだが、温過ぎる。それで止められると思うな!!」


 ゴオッと風音がする程にカッターのような切れ目の入ったブレードが横に振られた。


 推定1m30cm程の長さでこちらには届かない間合いにも思えたが、咄嗟に背後へと跳ぶ。


 思っていた通り、ブレードが柄の部分から一気に伸びて襲ってくる。


 ただ、伸び斬る前に刃先が間一髪身体の前を通った為、身体には傷一つ付かなかった。


 しかし……。


「この外套の防刃性能半端なく信用出来ないぞ?!」


『……カーボンファイバー製なんですけどねぇ。相手の刃の切れ味が無駄に良いとは思っていましたが、もしかしたら刃の刃先が単分子の類なのかもしれません。まぁ、それに近いというだけの代物でしょうが』


(単分子カッターとか。何処の漫画だよ!?)


 あらゆる物質が分子から構成されている以上。

 分子の繋ぎ目というのは確かに存在する。


 そして、単一の分子結合体は他の分子の結合に対して刃のように鋭く結合を解く事が可能だ。


 面の分子構造に刃のように細長い一繋がりの分子構造が刺さったような図を思い浮かべれば、簡単だろうか。


 よくよくSFではありがちである。


 ただ、もしそれを刃物で再現しようと思うなら、刃にコーティングする摩擦を低減する薬剤やら刃そのもの構造やら、とにかく閃きや凄い技術が必要だろう。


 日本刀がよく切れるというのは構造的な話であって、原理的な話ではない。


 たぶん、相手の武器が最も切れ味の良い状態なら、真っ二つが関の山。


 やはり、まともに受けなくて良かったと自分の判断が正しかった事に安堵した。


「ヌゥウンッ!!!」


 男が片手の刃を手元に下げた瞬間、ブレードが短く縮んだ。


 そして、ダッと地面を蹴り付けて再び突撃してくる。

 今度はタックルのような低姿勢だ。


 拳を握っている事からして、打撃や関節技を狙っているように見える。


 仕方なく。

 こちらも真正面から突撃する。


 まるでラグビーで組み合うシーンのように相手の上半身と激突した。


(ぐッッッ?!!?)


 衝撃に脳裏が揺さぶられる。


 だが、敵のブレードが縮んでいる今だからこそ、これしかないという選択のはずだ。


 逃げ場は殆どない空間。


 その上、タックルからの変則的な関節技なんて喰らったら、どう考えても捌けない。


 回避した瞬間にブレードが飛んで来ては避けられるか怪しい。


 敵の片手はブレードで塞がっているのを考慮するなら、逆に全体重を掛けて、相手へ突撃し、即座に回復する肉体の利点を生かして、組み合い。


 ブレードを使わせないようにした方が良い思えたわけである。


 が、無論のように体格差と素人のタックルというハンデが上半身を襲っていた。


 肋骨の何本かに複数の亀裂。

 頭部は軽い脳震盪。

 ついでに相手の腕力が強く。


 締め上げるような状態となった事で、ギリギリと左右から押し潰されつつある。


 だが、それでもブレードを器用に突き刺す余裕は相手にも無いらしく。


 それなりに受け止められているのが分かった。

 この数ヶ月。

 肉体が少しずつ変わってきた事に今は感謝するべきだろう。


 筋肉お化けに対抗出来ているのは確実に肉体が戦闘を行う為の身体に作りかえられていたおかげだからだ。


「クッ!? その身体でこの圧力!? 貴様、肉体を強化されているな!?」

「興奮剤!! 集中力!!」


 叫ぶと同時に背後の襟元辺りから何かが一瞬で肉体に浸透してくるのを感じた。


 それが体内へと馴染んで数秒後。


「ヌァ?!」


 僅かだが、体格で二回り以上違う相手の身体が後ろへと下がった。


「ウググッ?!! 薬か!?」

「オラァアアアア!!?」


 まともに喋っている余裕も無く。

 とにかく気合を入れて絶叫する。

 相手の服の腰回りを掴んで、相撲の要領で左へと投げ飛ばす。


 変態はゴロンゴロンとバリケートの破片を砕きながら転がるも起き上がり、まだダメージの残る身体で踏鞴を踏みつつ、ブレードを再度構えて、僅かに背後へと距離を取った。


 その顔には信じられないと書いてある。


 自分の肉体を過信と言っていい程に信じていた者からすれば、自分よりも小柄な相手に単純な筋力の激突で負けたのは正に驚きなのだろう。


 その合間にも腰から日本刀を引き抜き、すぐ正眼に構える。


 筋繊維が投げる際にブチブチと断裂していたように思えたが、今はもう痛くも疲れてもいない。


 長期戦という事であれば、自分の身体が限りなくアドバンテージの塊だと今更に再確認出来て、少しは生き残れる芽も出てきたかと内心で不安を飲み下した。


「まさか、この肉体で遅れを取るとは……貴様、大戦期の何世代目だ?」


 こちらにしてみれば、良い傾向。

 相手から攻撃ではなく質問が飛んでくる。

 この状態を少しでも長く続ければと軽口を叩く事にした。


「知らないな」


「―――この地域で目覚めたとすれば、ユーラシア・ビジョンあるいは日本帝国連合の試作体のはずだ。そのお前がどうして教団に加担する!!!」


(ッッ?!!? ユーラシア?! 日本?!! ちょっと待て?!! この夢世界で日本のにの字も出てこなかったのにいきなりか!?)


 思わず顔に出ないよう表情を厳しくしたが、それよりも耳元に響くかもしれない声に耳を澄ませた。


 何か知っている。

 絶対に知っている。

 あのケロイド男が自分に何を言わず。

 何を告げなかったのか。


 この情報に対して何か絶対にいい訳めいた事を言うに違いないという確信があった。


『敵の言う事を気を取られてはなりません。集中を』


 やはりと思ったのも束の間。

 変態妖精がこちらの様子に僅か怪訝な面持ちとなった。


「それともまさか、その力を持ちながら……フォルトゥナータ世代か!?」


「何を言ってるのかサッパリだな。オレはカシゲェニシ。単なる一般人だ」


「あくまで素性を隠すか!!」


「聞きたいのはこっちの方だ!! 神の氷室とは何だ? 鍵ってのはカレー帝国の皇女の事か? サブマシン、絶望、何の話か。ジックリ聞かせてもらいたいな」


「………それが欺瞞か。あるいは本当に知らないか。どちらにしても、大戦期世代の試作体でありながら、教団に加担するその愚挙。決して許せるものではない!!」


「生憎とこっちも仲間が墜落死寸前なんだ。許せる問題じゃない」


「いいだろう。貴様が何者かなどこの際捨て置こう!! ヌゥウウウウウウウンッッッ!!!!」


 ビギッと男の額から顔面に掛けて青筋が浮き出る。

 そして、同時に衣服の下の筋肉が更に膨張した。


「こちらは大戦期最終世代ユーラシア・ビジョンの最終攻勢用歩兵。保全さえ考えなければ、通常人体を超越する事など容易いッッ!!!」


 ゴッと男の腕が周囲のガラクタをなぎ払った瞬間。

 それが散弾のように雨霰とこちらにぶつかって来る。

 思わず無事だったバリケートの一角に身を隠すも、すぐに飛び出す。

 変態の投げた椅子が壁を紙屑のように破砕して粉々となった。


「見よッッ!!! この移植された神経、筋肉、万能細胞とは実に偉大だ!! 体内での高速増殖が可能になった時期から初期化と分化はもはや神速。例え、貴様がどの世代であろうとも!! 砕き散らすッッ!!!?」


 男がその筋肉と血管と神経が浮き出た巨椀に玩具のようなブレードを持って、床を蹴った。


 衝撃に部屋が傾ぎ。

 同時に視覚の中。


 怖ろしい速度で振り被られたブレードが頭上から振り下ろされるのが知覚出来た。


 動く。

 動く。

 動く。


 だが、自分の肉体の遅さは致命的だった。

 蠢く筋肉と体重と加速。


 それが渾然一体となって繰り出される“とても早い突撃時の振り下ろし”は死の風となって、こちらを叩き潰そうと迫る。


 死んだ。

 確実にまた死んだ。


 そう理解してしまえるからこそ、頭部だけはと首を横に倒し、直撃を―――。


 衝撃が奔り、船体が拉げ、確かに肉体が抉られ。


 そして………変態妖精(筋肉の化身バージョン)が三度の発砲音と共に横へ弾け跳んで壁際にめり込んだ。


『来ましたか』


 アザカの声に大穴の開いた壁際の窓の外を見れば、其処には一隻の飛行船が併走していた。


 しかも、その飛行船の横っ腹。

 大きな搭乗口の内部から巨大な銃口が覘いている。


『間に合ったようだな。エニシ』


「―――フラム、か?」


 ゴドンと対物ライフルが落とされ、肩を回した美少女の顔が扉の先で露となった。


「エニシ殿~~」


 シュルシュルという音と共に飛行船の上。


 ガスの入った上部構造の表面を滑り落ちてきた声が大穴の前までやってくる。


 縄に揺られながら、手をヒラヒラさせ、勢いを付けて内部に転がり込んできたのはいつもの外套姿の百合音だった。


「いやぁ~~まったく本当にエニシ殿は襲われ体質でござるなぁ~~」


 のほほんと言っている傍から百合音の片手が高速で振られ、壁際の筋肉の塊の衣服の隙間。


 要は生身の部分にクナイをザクザクと刺していく。


「どうして此処が分かったんだ? それにあの飛行船」


「ああ、あれはどうやらあの老人がオルガン・ビーンズで密かに発掘していたものらしいでござるよ。それで今回は重要人物奪還の為の部隊に運用させる運びとなったとか」


「いや、そもそもガスが危ないからって銃弾は使えないはずじゃ……」


「特殊なゴム弾でござる。あの化け物ライフル用で分厚い皮膜に覆われた金属柱を弾頭に入れ込んだものであるらしい。火器厳禁の場所でも威力が欲しいという火力主義者なフラム殿の要望に応えて共和国の軍研究部門が開発したとの事」


「……そうか。とにかく、助かった」


「それは良かった♪ で、さっそくなのだが、そこの筋肉達磨……まだ死んでないでござるよ。というか、もう意識が戻ったらしい」


 百合音がこちらを庇うようにして変態妖精との間に立ち。

 外套の内部。

 背中からズイッと自分の身長程もありそうな大口径二連装の銃。

 つまりはショットガンを相手に向けた。


「ぐ………共和国か。教団に貸しでも作る気か? 無駄な事を……」


 ユラリと起き上がった変態妖精が自分の生身の部分に突き刺さっているクナイを引き抜いて落とし。


 ギラリと併走する飛行船のフラムを一瞥してから、鼻を鳴らした。


「分が悪いな。いいだろう……此処は引き下がってや―――」


 男がそう言い掛けた刹那。

 ゴッと光の柱が併走する二つの飛行船の間を数秒の間、貫いた。


「何?!! まさか、これは!!? これも貴様の仕業か!? エーニジュウヨン!!?」


(マズイ?! これは塩の化身の?! そうか!? こっちにオレがいるのに攻撃したから!?)


「フラム!!! それ以上撃つな!!?」


『どういう事だ!? エニシ!?』


 混乱した様子のフラムにすぐ飛行船をそれ以上近くから離すなと伝えて、変態妖精を睨む。


「まさか、神の網を使えるとはな……教団が興味を持つわけだ。何を知っているのか知らないのか。ふざけた男だが、その実力は認めてやろう」


「ありがたくない話だな」


「貴様がもしもこの世の地獄を望まないのならば、“神の氷室”を破壊しろ。アレが動き出せば、この世の全てが“再び”終わる。月のマスターマシンの一部に手が届いている貴様になら、意味は判るはずだ。サブマシンの起動は……あの災厄の再来を意味するのだからな」


 男がダッと外に向かって跳んだ。

 そのまま世闇の虚空へと消えていく。


 慌てて船外に顔を出して確認すれば、先程の塩の化身の力で火災の発生した森林地帯の一角が見えるのみで、他はまるで見通せなかった。


「……行ったか」


『どうにかなったようで』


「オイ。聞きたい事がある」


 呟くものの。


『お答え出来ません』


 そう襟元からの答えが返った。


「まだ、何も言って無いんだが」


『では、お分かりになるはずです。我々は貴方に教えられない情報も複数所持している』


「……まぁ、いいさ。なら、自分の目で確かめるだけだ」


『そうするといいでしょう。先程の言葉に偽りはありません。必要ならばそちらを送り届けるのに協力します』


「分かった。一端、着陸しよう。その後、点検して航行に支障が無いかどうか調べてから、世話になるか決めたい」


『それくらいは構いません。何せ、貴方は救い人だ。もし先程のアレを進入させていたら、確実にこの船は落ちていましたからね』


 話は付いたと百合音を向くと。


 何やら目をキラキラさせて、こちらを何処か期待した様子で見上げていた。


「な、何だ?」


「ついにエニシ殿も外套の良さが分かったのでござるか!! 某!! 感動したでござるよ!! これで色がお揃いなら尚良かったのだが」


「……ああ、そういう……」


 どうやら百合音的にはペアルック感が溜まらないらしい。

 年頃の幼女がお洋服に目を耀かせるようなものなのだろうか。


『エニシ!! 一端、降りるぞ。こちらも先程の光の柱で船体にダメージがないか船長が確認したがっている』


「あ、ああ、了解だ。フラム……」


『何だ?』


 無線越しに聞こえてくる声はいつものようにぶっきら棒だ。


 それでもその不満そうな毎日聞いていた声のありがたさが今ならばよく分かる。


「助けてくれて、ありがとう」


『ッ?! き、貴様!? 悪いものでも食べたのか!? そんな感謝をされる謂れは無い!! 気色悪いぞ!?』


「フラム殿は相変わらずでござるな~。もっと素直になれば良いというのに。そう……某のように♪」


「?」

「ん、ちゅ……」

「んむ?!!」


 甘い。

 とても甘い。

 何はともかく人を惑わせる感触だろう。


 その口付けは確実に男を破滅させるに足る快楽という毒に満ち満ちている。


『な、ななな?!! 何をしているエニシ?!! その野蛮人の女から離れろ?!!』


 こちらが慌てて引き離そうとする前に唇を離した幼女が邪悪な笑みでニタリとした。


「今回の報酬はまだまだ後払いを受け付けておる故。したくなったら、いつでも言うとよい 某は傍にいる限り、二十四時間何処でもいいと言い添えておこう♪ ふふふ」


「……限りなくオレの身の安全がピンチだな」


 ゲッソリして呟く。

 その合間にも声が割れそうな音量で襟元から怒鳴られた。


『エニシッッ?! 貴様、何をしている!?! シレッと自分のせいじゃないという顔をしているな!? 貴様が不甲斐ないから、そうやって唇を奪われているのだぞ?! 少しは反省しろ!!? 貴様は私の婿候補なのだからな!?』


 飛行船から今にも身を乗り出して落ちていきそうな勢いでフラムがこちらを睨んでいた。


(勘弁してくれ……)


 気が抜けたのか。

 その場で足が震えて崩れ落ちる。


 真正面から受けた死の気配にようやく身体が反応し始めたらしい。


 強張って動かなくなっていく身体を押さえながら、瞳を閉じると。


 眠気が襲ってきて、速やかに意識は現実から遠ざかっていった。

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