秋の散歩道~金木犀が散った後に~

秋の散歩道を歩いていると、いろいろな秋の風物詩と巡り合う。


コスモスが咲き始めた花壇

金木犀が散ったあとのオレンジ色のじゅうたん

銀杏(ぎんなん)の匂いが鼻をつく銀杏(いちょう)並木


そして、いわし雲が高い場所からわたしたちを見下ろしている。


朝の空気は涼しくて、肌にさらっと触れていく。

街が動きだす前の静かな秋の散歩道は、これからやってくる季節を思い出させる。


秋は短い。

いつまでもこの季節にとどまっていたいのに、突然夏を思い出したかと思うとすぐに凍るような寒さがやってくる。


短い季節だからこそ、毎年この季節がやってくるのが待ち遠しいのかもしれない。

短い季節だからこそ、この季節のすべてが愛おしく感じられるのかもしれない。


秋の散歩道は夕暮れが似合う。

本当は夕暮れ時がこの季節の風物詩なのだ。


でも朝も悪くない。

朝はどんな季節にも似合うから。


秋の散歩道は好きな人と歩きたい。

短いこの季節の記憶を刻み込むように、空気を感じながら歩く。


わたしたちの姿はどんな風に見えるのかな。

ポストカードの恋人たちのように、落ち葉の上を肩をならべて歩きたい。


それが秋の散歩道。

金木犀が散った後には、木々が彩る季節がやってくる。


もう、すぐそこまで来ている。

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