月になりたい人はいない…それでも凛と輝く

誰しもみんなヒーローに憧れる。


朝には太陽が昇り、他に輝くものはない。

唯一の存在。

それが太陽だ。


でも夜になるとその姿をひそめる。


夜には星が輝き、月が昇る。

月は唯一の存在のはずなのに、みんなヒーローは星だと思っている。


星は無数にあるのに、もてはやされる。


人は死んだら星になる。

期待の星。

有名なスターも星だ。


けれど月になりたいと思う人は誰もいない。


月は唯一の存在なのに、夜になるとひときわ輝いているのに、月になりたいと思う人はいない。


そして朝になると太陽に輝きを奪われるのだ。

朝になってもまだそこに存在しているのに、誰も月には気づかない。


星は夜しか見えないのに、月よりも輝く存在だと思われる。


月になりたい人はいない。

星よりもはるかに輝いているのに、みんな星になりたがる。


だからわたしは月になりたい。


夜しか輝けない月になりたい。

星のようにもてはやされないけど月になりたい。

朝になって輝きを失ってしまっても、必ずそこに存在しているような月になりたい。

それでも凛と輝く月になりたい。

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