猫人小伝妙その2

『大戦』期以降、全面戦争の危機が去ったかと言うと、そういう事はなく、むしろ水面下での、暗闘が増えただけであった

地域間紛争、テロ、破壊工作といった諸々の世界の動きは、『英雄ヒーロー』から『黒幕スパイ』へ、というその時代の変化を、端的にあらわしている、と言っていいと思う




ようは、一人の『英雄ヒーロー』が戦争で活躍する時代から、無個性で、地味な、名前もわからない『黒幕スパイ』の時代へ、変化していった、と考えればよい

風魔風太かざまふうた』もその中の1人であった




と言う所で、本項は終わる

というのも、彼は、特徴的なエピソードもなく(アロエを育てる趣味くらい)、偉人特有の人格破綻者こわれた人間でもなく、生涯1匹のラブラドール・レトリバー以外と暮らしたことがない独身であり、そもそも

確実な事は、風魔風太という、いくつもの情報漏洩事件、暗殺等にかかわった人物がいた、という『事実』があるだけである

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