仲直りの餃子は、皮が二枚でキャベツがでかい
ロドリーゴ
1. ママと喧嘩
「どうせ私の事なんか『本当の子じゃないから』って思ってるんでしょ!」
私はそう怒鳴ってリビングから飛び出し、ドアを乱暴に閉めた。ガラスの向こうのママをチラリと見る。
……ほらね。追っかけてもこない。ただオロオロしてるだけ。あの人はパパがいないと何もできない人だから。
現在中学三年の私は、二週間後に友達との卒業旅行をひかえていた。ここ東京から長野の安曇野へ。
この旅行は、もう一年生の時から部活の女友達三人と約束していて、やっとその時が来たのに、場所を聞いたママが今日になっていきなりストップをかけた。
「泊りがけはダメ。夢売りランドにしておきなさい」
ここから電車で三十分もかからない遊園地に友達と遊びに行く……それ、卒業旅行なんて言わないから。場所を強制するって、どういうつもりなの?
頑として譲らない、譲歩一切なしのママに、ついに私の堪忍袋の緒が切れたんだ。
『本当の子じゃないから』って言うのは……まあ、嘘。私はパパとママの本当の子なんだけど、これは嫌味として喧嘩したときによく言っている。
でも、この嫌味は適当に言ってるんじゃない。パパとママには言ってないけど、大きな理由がある。
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