この作品の様なドラマが全国津々浦々で生じているのでしょう。後継者難で事業を畳む中小企業も多いと聞きます。時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、それに光を当てる小説がもっと有っても良いと思いました。似た雰囲気の作品に、@aquaside氏の「いちのみや回想タクシー」が有ります。星の数は、短編にはMAX2つが信条だからです。
過疎化しつつある地域のガソリンスタンドで働く中年男性の人生について描かれた短編作品です。現代の働き方は、あまりにもお金のことばかり追求してしまっていないか――。働くこととは、お金を稼ぐことだけでなく、誰かのために役に立つからこそ尊いのではないか――。考えさせられます。ストーリーとしては、転の部分でドキっとしましたが、この結でホッとしている自分がいました。ぜひ読んでほしい作品です。