第24話 追記。赤ん坊の泣き声と思い出したこと。

 中島哲也監督のホラー映画「来る」をレンタルDVDで見ました。原作は、澤村伊智さんの「ぼぎわんが、来る」です。原作が面白かったので、映画も見ました。

 映画オリジナルだと思うのですが、中絶をしたと思しき女性が出て来ます。これで思い出したのですが、子供の頃、私の母親が中絶したことがある、みたいな話を小耳にはさんだことがあります。

 いや、ハッキリと聞いたわけでもないし、デリケートな話題なので、母親にも確かめることができませんでした。ただ、まだ子供だった私が「妊娠しても、産みたくなかったら、子供を産まなくてもいいんだよね」と何気なく母親に訊いたら、「妊娠したら、産まなくてはいけない!」と怒られた経験があります。

 私が小学4年生ぐらいの事だったと思います。母親が怒った理由が、自分が産まなかった(産めなかった)ことによる、そのための怒りだと、子供心に思いました。

 そして、私が中学生の時だったか、高校生の時だったか忘れましたが、夏休みのある夜、いつまでも眠れないでいると、遠くから何か聞こえてきました。

 よく聞くと、赤ん坊の泣き声でした。かすかな声ですが、赤ん坊の泣き声で間違いありません。その時、私は母親が産まなかった(産めなかった)水子の泣き声じゃないかと、とっさに思いました。

 近所に、赤ん坊がいるという話は聞きません。私は怖くなってしまいました。「来る」を見ていて、この事を思い出しました。

 母親は、すでに亡くなっているので、水子がいるのかは、もう聞けませんし、本当に母親が中絶したのかも、はっきりしていません。もし私の思い違いなら、母親の名誉を傷つけることになりますが、どこからともなく赤ん坊の泣き声がしたのは事実です。

 むろん、夜中に赤ん坊を抱いて歩いてた人が、居ただけかもしれませんが。私の中では、恐怖体験のひとつです。

 子供の頃には、こういう事もありました。親が茶道の先生をしていたので、日曜日の朝は、強制的に茶道の稽古をさせられました。日曜日の午前中は、子供向けのテレビ番組をたくさん放映していて、それが見たいのですが、茶道の稽古のせいで、みられませんでした。

 茶道の稽古は、庭にある離れでやります。ある日、姉が風邪で母屋で寝ていて、稽古を欠席していた時、茶道の稽古中の私は、姉が私を呼ぶ声を聞いたのです。母屋と離れは、かなり距離があり(庭が広いのです)、母屋も広くて、姉の寝ている部屋から、姉が叫んだとしても、聞こえるはずがありません。

 私が聞いた声は、叫び声ではなく、かすかな声でしたが、それでもハッキリと私を呼んでいる事がわかりました。

 茶道の稽古が終わってから、姉の部屋へ行き、私を呼んだか聞くと、まさに私が姉の声を聞いた時間に、姉は気分が悪くなって、心の中で私を呼んだそうです。姉と私が、テレパシーで繋がったような、不思議な気持ちになりました。

 ただ、その後は二度と、姉のテレパシーを感じることはありませんでした。でも、これも子供の頃の興味深い思い出です。

 話は最近の事に変わります。以前に、愛犬のコロが死亡した話をしました。私は、自分で言うのもなんですが、敬神家で、毎日のように神様にお祈りしています。

 コロが、年を取ってきてからは、神様に「コロを長生きさせてください。コロは最期は眠るように逝かせてください。コロの最期を看取らせてください」と毎日のようにお願いしていました。

 すると、コロの最期の日のことです。私が、いつものように散歩に行こうとコロの所へ行くと、コロは眠りながら、むにゃむにゃ言ってました。そして、私の目の前で、顔を横に向けると、そのまま逝ってしまいました。

 あの時、あの時間にコロの所へ行かなければ、コロの最期に立ち会う事はできませんでした。コロは、眠りながら逝きました。

 15歳になる前でしたが(2ヵ月ほど前)、人によっては、長生きだと言います。私は、16歳ぐらいまで生きてほしかったけど、神様にお願いしていたことは、ほぼ叶いました。

 邪(よこしま)や欲張りでないお願いなら、熱心に神様にお願いすれば、叶えてくれるのだと、神様に感謝しています。

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