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「ここに黒くて丸い球体がある。

それをボタム族が顕微鏡で覗き込む。


『おお〜、やってるやってる』


球体の中には宇宙が広がっていて、無数の星があり、一番美しい星を地球という。


『イギリス頑張れ!負けるな!』


地球では、自然と生命が共存し、時には敵対しながら存在していた。


さて、この黒くて丸い球体の横にあるダンボールにはこう書かれている。

《世界創造体験キット》。


それからボタム族は大事そうに《世界創造体験キット》を冷蔵庫の奥にしまい込んだ。

代わりにアイスキャンデーを取り出し、うちわをパタパタさせながら『今日も暑いな』と言った。


ところで、ボタム族はメロクルンデ族の体内を流れていた。


ボタム族はメロクルンデ族の血液を凄まじい速さで流れているが、なんせ凄まじい速さなので、ボタム族は何も感じない。流されていることに気付かない。


そんなメロクルンデ族は道を歩いていた。


しかしまた、メロクルンデ族もテテアイ族の指紋の間にいることを知らない。人差し指の付け根から爪先まで、300年以上も行ったり来たりしてることを知らない。


そして、テテアイ族も……。


人類は進化は進化を遂げてきたが、それはどこの世界も同じである。

どの世界でも、その者の限界を超えるものは見せないことになっているのだ。


このことは、我々サコーラ族の中でも極秘事項であるが、我々もきっと、ただ流されていることしかできないのだろう。」


「それはそうと、班長!」


「なんだね」


「ブラックホールが邪魔で先に進めません!」


「ふむ。なんということだ」


「班長!」


「我々に限界はない。このまま直進だ!」


「うわ〜〜!!!」




おしまい。

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