主人公が何とポテト、ヒロインが熊、悪役がサメ(全部宇宙種族)。ふんわりライトノベルかと思いきやハードSF的ガジェットでブン殴ってくる。中編で終わらせるには勿体ない壮大な世界観と登場キャラクターとのギャップが楽しい宇宙レース物のスペースオペラ。面白かったです。
主人公はジャガイモ型の“宇宙人”、出会う人びと、行き交う人びとも多様な動物タイプだったりする。でもって何だかすごい理論で宇宙をかっ飛ぶガジェットやら、一輪駆動のメカウェイトレス。覗くやいなや「うはぁ、スペースオペラだ!」と声を上げざるをえないコッテコテのフューチャーでスペースなテイストが、どこか懐かしさすら感じます。ともあれ先ずはこの、味のある世界観に浸ってみよう。そう思わせる作品であります。
冷静沈着にして凄腕の元軍人。今はしがない宇宙船乗りだが、どんな危機をもヒラリとスマートに身をかわす。そんな男が挑むのは、宇宙を股に掛けた過酷なレース。限界まで性能を高められた究極の船、荒くれ者の賞金稼ぎに悪党、美女入り乱れての古き良きスペースオペラの世界がここにある。彼の名は芋。