(実験)短辺完成までの軌跡

森村直也

10月25日

【解説】

 テーマが『嘘』ということで、ころころ変わる恋愛すら『嘘』に見えると言うことを初案としていた。主人公は小学生くらいのイメージ。

 メタ構造の小説を直近に読んでいて、読者を巻き込む形に出来たらと思った片鱗が『メタ構造』の記載。

 初案の結論は、『嘘を受け入れる』

 潔癖でも無く、嘘を愛する訳でも無く、そういうのもありか、と受け入れる。そんな形。

 この案では話が進まなかったし、広がらなかったため、メモも中途半端。


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好きな人が毎日変わる友人。

お父さんなんて嘘だったと嘆く母。

嘘だ本当だと騒ぎ立てる新聞、テレビ。

嘘はイケマセンと先生は言う。

言いながら嘘をついている。


僕は本当だろうか?

僕は嘘なのだろうか?

宿題しろと母ちゃんは言う。

宿題も嘘? 本当だったら叱られるから。

嘘でもいいや。コレは今僕がすべきこと。

僕が嘘でも、誰かが読んでるお話でも。


ねぇ、そう思わない?


※メタ構造にする。

※嘘を受け入れる。



最初と最後が繋がるように。


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 今日が月曜日なんてきっと嘘だ。思っても目覚ましは鳴り続ける。

 叩いて止めて見る文字盤には月曜日だっていう『MON』の文字がある。

「起きなさい! 遅刻するわよ!」

 お母さんは今日も嘘ばっかり。僕は遅刻なんてしやしないし、僕はもう起きてるから。

「はぁい!」

 それでも返事をしてみるのは、僕より早く家を出るお母さんに僕を起こす以外のことをして貰いたいからだった。

『××大臣はこの件に関してのコメントを』

「逆のこと言ってたわよね?」

 布団を出てふすまをを開ける。

 パンにジャムを塗りつけながら、お母さんはブツブツ呟く。

「おはよう」

「おはよう」



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