おチンチンwithトキ子マンション
マッシュ前田
第1話普遍的童貞日常崩壊
高二の秋、独りの帰宅途中は憂鬱で無駄なことばっかり考えてしまう。部活もやってないおれはただただ学校に通い帰宅してゲームして飯食ってうんこして寝るだけの生活。つまらない、毎日が何の変化も無く通り過ぎていく。あいつらは楽しそうだけど俺には無理だな、部活に熱心に取り組む熱量もなければ、バイトして女の子と会話して好きなもの買って生きてくような生活も。ってかバイトなんか面倒くさくてしたくないしな、いつから踏み外したかね、あいつらは無難に生きてると思うよ。はぁ。そんなことよりユカちゃん手コキしてくれないかな、軽ノリでさ。
陳幸一の頭の中は主に他人への嫉妬、自分への諦め、エロいことなんかを考えたりしてる内に一日が終わってしまう。一日を非生産、非貢献で堕落的に潰してしまうその姿勢は無価値そのもの、ダンゴムシだってもう少し貢献している。だが残念なことに人生を諦めている男にすら神は性欲から解放してくれやしない。永遠にすら感じる童貞人生に陳は飽き飽きしていた。そう‘セックスがしたい’ 内に秘めたる感情をただ外(中)に出したかった、そう最後に抜いたのは十日前だ。そんな陳の帰路には無機質なマンションが冷徹に立ち並んでいて、いつもの疑問が頭をよぎる。
この一つのマンションですら百人は住んでいるのだから、一人くらいやらせてくれる女性はいる筈だ。
陳はこの説というか願望を信じて疑わない。じゃあ何故陳は童貞なのか?それは声をかけてないからだ、当たり前だ。じゃあ何故やらせてくれと声をかけれないか?そんなことを聞いたら変質者だ非常識だ危険だと思われ最悪逮捕されるからだ。本能だろ誰だこんな貞操観を作ったやつは五回しねと陳は生まれ落ちた世界のモラルに失望する。もう世界が悪い、おれが世界を変えようじゃないか性にフラットで気軽にやれる世界に、、、まぁ無理だけどね、トランプが変えてくれないかな。そもそもの問題は子供が出来る仕組みが悪い。男も女と同じく安全日があり、子供が出来る精子が精製される日、子供が出来ない精子の日で分けてあればよかったのだ。でもそしたら女が男に騙される危険性があるかな、子供が出来る精子の日はちんこが真っ赤っ赤の紅に染まるってのはどうだ。これで男も安全日は中に出し放題だぜ。ってか子供が出来ない精子ってもはや精子と呼べないから気持ちんちん汁だな。あぁどうでもいいや、「セックスがしたい!」
・・・静かな住宅街でのぶとい声だけが響き渡る。陳はその時口に出してしまった事に気付く。やべぇ口に出してたよ、恥ずかしー誰も聞いてないよな?早く帰ろう。陳が早歩きで帰ろうとした時、後ろから声がした。
???「まちな!」
振り返るとしわしわのばばぁがこっちに近づいてくる。やべぇ聞かれてたのかよ・・
謎のばばぁ「お前童貞か?」
陳「そうだけど」
謎のばばぁ「セックスがしたいらしいな」
陳「なんだよ、別にいいじゃねぇか、いちいち呼び止めるんじゃねぇよ」
謎のばばぁ「若々しい美女とやらせてやる」
陳「それはホントですか?」
謎のばばぁ「あぁ、だが出来るかどうかはお前次第だ」
陳「なんだよ、おれ次第だから童貞なんだよ、くだらない」
謎のばばぁ「まぁ話を聞け、お前今このマンション眺めてたろ、私はここの管理人なんだ、訳あってここの住人は‘女’しか住まわせていない」
陳「そりゃあいい」
謎のばばぁ「お前はいまからここの住人全員にヤラせてくれと頼み込め」
陳「(このばばぁ何を馬鹿なことを・・頭でも悪いのか?まぁ顔が悪いのは確かだな、そんな勇気ありゃあ卒業できてるからね全く)」
「帰る」
謎のばばぁ「まちな!」
ばばぁが駐車場の隅をあさぐりだし、何かを持ってくる、おれはそれが何だか分かりうろたえた。
陳「盗聴器!?」
謎のばばぁ「そうだ、この盗聴器は私が仕込んでいたものだ。さっきの声もばっちり入ってるぞ。わたしの耳には聞こえんかったがぶつぶつゆってたのも入ってると思うぞ」
陳「(セックスがしたいの前も口に出してたのかよ・・)」
「しかし何故盗聴器を?」
謎のばばぁ「わたしも揉め事を抱えていてな、聞いてくれるなや。それよりお前ここの近くの高校の学生だろ?私の妹が校長をやっていてね、学校の鍵くすんで放送室でこの音声を流せばお前は終わりだ。」
陳「貴様・・」
謎のばばぁ「なぁにただ全員の家のインターホン押して頼み込めばいいだけだ、セックス出来なかったとしても構わんよ、私は住人どもの平凡な日常に刺激を送ってあげたいだけさ」
陳「馬鹿げてる・・ぶち切れられたらどうすんだよ」
謎のばばぁ「わたしが責任を取る」
陳「第一そんな勇気持ち合わせて・・」
謎のばばぁ「これは脅しだ」
陳「そんな・・」
謎のばばぁ「さぁついてこい」
謎のばばぁに連れられマンションの入り口にくる、‘トキ子マンション’
十階建ての大きなマンションだ。外からは中が全く見えない外観の造りになっている。あぁトキ子って名前なのかと一息つく間もなくオートロックの扉が重々しく空き、一階の住居スペースに案内された。くんくんっヴッ!生臭いぞ?とても女の園とは思えない匂いだ・・
トキ子「まずは一階一○一から一○十までだな、セックス出来るといいな童貞、くっくっく、ここで見守ってるから行ってこい」
一○一、扉の前に立つとふと我に返った。脅されて動揺していたが俺は今から‘百部屋’やらせてくださいと聞くのかイカれてる。だがどこか強制的にやらないといけないという状況に何処か身を任せている自分がいる。これは脅されてやらされているのだ。だから拒否られても仕方ない。あわよくばヤレる、そう忘れていた。相手がOKすればヤレるのだ。逃れられない状況に加え言い訳も整っている、これはチャンスだな。気持ちが高鳴りピンポンを押した。
???「は~い、いま出ま~す」
甲高い声が脳内をこだまする、女の声!と全身の細胞が喜びだしたと思いきや、冷や汗が噴き出す。やべぇよおれは今からいきなりヤラせてくださいと切りだすんだ、嫌な顔するんだろうな、殺意の目を向けられるんだろうな、嫌だよやっぱこんな事言えねえよ逃げようと思った瞬間、カチャッ、扉が空いた。
???「なんでしょう?」
唖然だった・・・
そこには二足歩行で言葉を喋る‘ゴリラ’が立っていたのだ。
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