蒼月のサザルクォーク

水面の月

プロローグ

小雨降る中、平均的な顔立ちの女性は青色の傘をさしながら、街中を歩く。

彼女は、初恋で悩んでいた。



よく知った友人であり、優しく接してくれる彼に、一人の男性として惹かれていた。しかしながら、彼は自分の想いに気づいてないだろうと思いながら、果たして友人として接してくれる彼は自分の事をどう思うだろうか。


やはり、色恋沙汰いろこいざたは面倒くさいか。

気持ち悪いかな?


色々な思いが心の中で渦巻く中、歩いていると今まで考えいた彼が、人で溢れる通路の先にいるのを見かけた。


誰かを待っている様だ。

声をかけてみようと、手を上げ振る。


「おーい!久しぶ…」


ショップ出入口の方から、綺麗な美人が駆け出して彼に何か嬉しそうに話していた。

彼も美人が手渡した紙袋を嬉しそうにしながら話している。



あれ?

これ、私の初恋終わたー



私は荒ぶれる心を抑えながら、手を下げて、何も見なかった様に顔を下に向き、小道に逸れた。


そう、私は初めから終わってる恋だった。

俗にいう失恋だ。

私は勿論私が横恋慕だったから諦めるべきと思うし、他人の恋路を壊したくない。あの二人はお似合いだし、幸せになって欲しいなぁと思った。

そして、こんな傷つくのなら恋はしない方が良いと思いながら、曇天の空を見上げた。


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