第24話 空白
「んー」
昼休み僕は校舎の屋上にいた。
そして手摺に寄りかかってぼーっと遠くの景色を見ていた。
「何してるの、あんた」
「何だ、白鳥佐紀か」
「何だとは何よ」
僕は白いビニール袋からジャムパンとパック入りの牛乳を取り出した。
「これ、いる?」
「・・え」
「余分に買っておいたんだ」
「何で?」
「・・何となく」
僕は袋からクリームパンと牛乳を取り出した。
「・・ありがとう。いただいとくわ、鈴木佐君。ジャムパンとはわかっているわね」
「まぁ」
空は快晴で青空が広がっている。白い雲が所々に点在している。
「人って結構簡単に狂気に陥りやすいよな・・」
僕はポツリと呟いた。
「・・そうかもね」
白鳥佐紀は答えた。
「自分の中でそれをつくる傾向があるようね。いわば実体のない影に怯えるような感じかしら。そしてそういう状態の人はおかしな行動などをとったりする。所謂人の理性というものは思っている以上に脆いものなのかもしれないわね」
「そうかもな」
「自分の心を制すること。これはかなり難しいことかしら。多くの人はただその時の感情に流されたりする」
「哲学的なことを言うもんだな・・」
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