特に何もないが
御崎
第1話 テストの日々
「これは本文です」
彼はつぶやいた。
「・・あんたさぁ・・何言ってるの?」
後ろの席に座ってる女が言う。
僕の名前は
苗字が
初対面の人はまず理解できないのでいちいち説明をしている。
何て名前をつけてくれたんだよ・・と思うことはたまにあるけどもうあきらめた。
後ろの席に座ってる女は
・・まぁ僕の名前よりはわかりやすいだろう。
さて・・僕は現在高校3年生だ。たしかに学年はそうだ。
だがしかし、僕は現在20歳だ。
・・なぜそうなのかはおいおい説明しよう・・。
僕の容姿はまぁ普通くらいで取り立てて目立つようなところもなくよく存在自体を忘れられやすい。読者諸兄にはどうでもいいことか・・。
僕の後ろの席に座っている白鳥佐紀令子はクラスメートで、たまたま2学期の席替えで後ろの席になった。
彼女は生徒会で書記をしており、彼女の容姿は黒髪ロングのさらさらストレートで細身、そして顔はまぁ・・結構な美形だと言えるだろう・・性格はかなりアレだが・・。
なぜ生徒会をしてるかというと生徒会に所属していると内申がよくなるそうだからだ。でも生徒会の仕事はいつもめんどうだなぁーとかぼやいている。
「あんた、何を一人でぶつぶつつぶやいているのさ」
白鳥佐紀は休み時間ノートに向かってぶつぶついってる僕に言った。
僕は彼女の方を向いて言った。
「ふふふ・・よく・・聞いてくれましたね、白鳥佐紀令子さん。僕、鈴木佐藤山田はですはね・・小説の構想を練っているのですよ」
「小説?」
白鳥佐紀は少し興味を持ったようだった。
□ □ □
「で、そのあんたが書いてる小説はなんていうタイトルなの?」
「いきなりそこに来ますか。まだ決めてないよ」
「ふーん・・。でどんな話なのさ」
「それはできてからのお楽しみ、といことで・・」
「はぁ?どうせつまらない話なんでしょ?」
僕はややぐさっと来たが、平静を装った。
「ふっ・・できてから驚くといいさ、僕の才能に」
「また根拠のない・・次の授業は美術か。さっさと行こ。
白鳥佐紀は斜め前の席に座っている女子生徒に声をかけた。
「あ、令子。わかった。行こう」
と声をかけられた女子生徒は答えた。
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