皇都奇譚 ~双刃残映~

平 和泉

序章

古来よりこの国には、得体のしれない者たちが暗躍していた。

その者たちは自らの事を“黄泉衆”と呼び、怨霊や御霊といったものを使って様々なことを行ってきた。

しかし平安時代に入ると、その黄泉衆に対抗する者たちが現れる。

彼らは安倍晴明を筆頭に、陰陽道や諸外国の呪術を駆使して、特殊能力に秀でた集団を作り上げた。

それを“陰陽衆”という。

彼らの活躍があり、国は平安を取り戻したのだが、次第に人々は自分たちとは違う力を持つ彼らを恐れ、迫害するに至った。

そして、ある者は国を去り、ある者は力を封じ、人に交じって生きることを選ぶしかなかった。


黄泉衆と陰陽衆の名は、そうして歴史の闇の中に消えていったのである。




そして今。

時は幕末の混乱期。


ついに彼らは動き出した――――

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