10月3日  交通戦争一日休戦の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 本日2017年10月3日は「交通戦争一日休戦の日」である。


 交通戦争一日休戦の日、とは、1971年、東京都八王子市で毎月水曜日に自家用車の利用自粛・公共交通機関の利用を呼びかける「ノーカー運動」が実施された事に起因され制定された一日である。その時のスローガンが交通戦争一日休戦の日だった為、こう名付けられた。


 今の車社会では、たった一日と言えど車を使わない事など不可能だろう。それは都市部に住む人間なら電車や自転車での移動だけでやっていけると感じるかもしれないが、都会でも物資の搬送の殆どは車便りだ。


 トラックは国の赤血球であるとよく揶揄される。日本と言う体の隅々まで物資を送り届けるには、どうしても電車や飛行機だけでは賄えない。車が普及する以前に人は生活を営めていたと言うのだが、まるで想像が付かない。


 もしも万が一この世から車が消えたら、まずは川や海、水辺を目指すといいだろう。文明はどんな時代もそう言ったところで発展してきた。逆に言えば、車が無かったら内陸部に都市を作る事などあり得ないのである。


 車と言う存在は、想像以上に人間の歴史に変革をもたらしている。たまには洗車をしてやろう。そう思った一日である。(やるとは言ってない)




 今日は交通戦争一日休戦の日。特別な一日である。

 我々は本日を祝福し、過ごさねばならないだろう。

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