9月13日 日本一有名な猫が死んだ日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
最近、ちゃんと真面目に0時に更新していると違和感を思ったそこの諸君。実は企画していた第一回『カクヨム』最強キャラクター決定トーナメントが本日より始まり、その準備の為に書きだめておいたのだ。だが、今日でストックは終わる。
また明日から、毎日書くのかあ……。はぁ……。
本日2017年9月13日は「日本一有名な猫が死んだ日」である。
諸君らは日本一有名な猫と聞いてどの猫を思い浮かべただろうか。猫が登場する作品は数えきれない。そこからは、人間と猫の絆が古代より築かれていた事を想像させる。ヒントをやろう。恐らく、カクヨムユーザーである諸君らは小説が好きだ。私はその事も加味してこのタイトルを付けた。
そう、夏目漱石の、『吾輩は猫である』に登場した猫だ。
実はこの主人公の猫にはモデルが存在していた。漱石が飼っていた猫である。『我輩は猫である』は、夏目漱石の長編小説であり、処女小説である。「吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。」という書き出しはあまりにも有名だ。
漱石が37歳の年に、夏目家に迷い込んでそのまま住み着いた野良の黒猫であった。『我輩は猫である』が完結した二年後の1908年に猫が他界した際には、漱石は猫の死亡通知を出すほどの溺愛ぷりだった。
日本を代表する文豪として、一時は紙幣にまで描かれていた夏目漱石であるが、そのデビューは意外と遅い。もし、この猫が漱石の元を訪れなければ、夏目漱石は無名のまま生涯を閉じていたかもしれないと考えると、人生とは如何に奇妙な巡りあわせで出来ているかを考えさせられる。
今日は日本一有名な猫が死んだ日。特別な一日である。
我々は本日を祝福し、過ごさねばならないだろう。
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