8月31日 切り裂きジャック
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
さて、本日2017年8月31日は「切り裂きジャック」の話をしよう。
切り裂きジャック。ジャック・ザ・リッパーは、1888年にイギリスで連続発生した猟奇殺人事件および犯人の通称である。世界で最も有名な未解決事件であり、現在でも犯人の正体についてはいくつもの説が唱えられている。
1888年8月31日。第一の被害者はメアリー・アン・ニコルズ、42歳。その後11月9日までに五人の女性が殺害された。
犯行の共通点は夜、人目に付かない隔離されたような場所で行われた事。週末、月末、もしくはそのすぐ後に実行されている事。
9月27日、新聞社セントラル・ニューズ・エイジェンシーに切り裂きジャックを名乗る手紙が届けられる。内容は切り裂きジャックは売春婦を毛嫌いしており、警察には決して捕まらない、犯行はまだまだ続くと予告する挑発的なものであった。
有力な被疑者は7名挙げられる。医者、弁護士、理髪師、教師、木綿職人から肉屋、そして画家。いずれも逮捕までには至っていない。
もしかしたら、7名以外に犯人がいたのかもしれないし、7名全員が犯人だったのかもしれない。
現在、科学は進歩を遂げ、日本で殺人事件が起きた際の解決率は95%前後だと言われている。だが、残りの5%に一抹の不安を感じざるを得ない。
故に、事件が起きる前に、市民も警察にある程度の協力をするべきである。職務質問を受けた際は、意固地にならず、身分と危険物を所持していないか見せた方が良さそうだ。
今日は切り裂きジャック。特別な一日である。
我々は本日を祝福し、過ごさねばならないだろう。
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