8月14日 専売特許の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 本日2017年8月14日は「専売特許の日」である。


 専売特許の日は、1885年のこの日に、日本初の専売特許が交付された事を記念して制定された一日である。

 7月に施行された「専売特許条例」に基くもので、堀田瑞松の錆止め塗料ほか7件が認められた。


 専売特許とは、要するにアイデアの盗用を防ぐ為に作られた法律である。誰かが新しくなにかを発明した際、それを商品として、あるいは使用して周りの目に触れた時、瞬く間に世に広まってしまう。

 これでは発明者が報われなさすぎる。誰もが人のアイデアを盗んだ方が得をする。そう考えてしまうのを防ぐ為の法律である。

 もしもこの専売特許が飲食業に適用されていたのなら、寿司やとんかつ、つけ麺や天ぷらの発明者は巨万の富を得ていたに違いない。


 以上の様に専売特許とは国が発明者またはその承継人に対し、特許権を付与する行政行為の事を指すが、それと同時にまた違った使い方もされるようになった。

 その人にしか出来ない、唯一無二。と言った意味合いである。


 小説を書く者にとって唯一無二の存在であるという事はかなりの強みになる。私も何か一つだけでも専売特許と呼ばれるなにかが欲しいものだ。




 今日は専売特許の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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