8月12日 君が代記念日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 本日2017年8月12日は「君が代記念日」である。


 君が代記念日は1893年のこの日、文部省が訓令「小学校儀式唱歌用歌詞並楽譜」を布告し、小学校の祝日・大祭日の唱歌に『君が代』『一月一日』『紀元節』等8曲が定められたことにちなみ制定された一日である。

 君が代は後の1999年、「国旗国歌法」により正式に国歌となった。


 日本国民であれば知らぬ者はいないであろう君が代。歌える者は多いだろうが、果たして諸君らはその歌詞の意味を正しく理解しているだろうか。君が代の現代語訳は以下の通りである。


《きみ》=完璧に成長した男女が


《代》=時代を超えて


《千代に八千代に》=永遠に千年も万年も、生まれ変わってもなお


《さざれ石の巌となりて》=結束し協力しあい、団結して、


《苔のむすまで》=固い絆と信頼で結びついていこう


 君が代は天皇を崇拝する歌だと認識している人が多いが、実際は国民の繁栄を謳ったものである。きみとは古事記に登場するイザナキノミコト、イザナミノミコトからきており、男女を表す。これを天皇と勘違いする人が多い様だ。

 子孫繁栄、平和な世を望む祝いの歌。それが君が代である。


 余談だが、最後の一文、苔のむすまで。苔が生えるほどに長い間と捉えるのが正しいのだろうが、苔とは濡れた場所と、木や岩などの硬い物が合わさって生えるものである。


 ……


 濡れた場所と硬い場所が合わさって新しい命が生まれる……。


 ……いや、まさか。

 神聖な国家に下ネタが用いられているわけがない。だがしかし、恐らく諸君らもこれから先、国歌を聞くたびに「苔のむすまで」を健全に捉えることは出来ないだろう。それこそ千代に八千代に。




 今日は君が代記念日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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