8月11日 山の日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
本日2017年8月10日は「山の日」である。
山の日は山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する事を目的とした国民の祝日である。海の日があるのだから山の日があってもいいはずだ、と言う声に応えて制定された一日であるが、なんとこの日が制定されたのは2014年であり、正式に施行されたのは去年、2016年の事である。
本来ならば明日12日に制定される予定であったが、日航123便墜落事故と同じ日になってしまう為一日早められた。
さて、諸君らはこの山の日をご存じだっただろうか。私はついさっき初めて山の日を知る事になった。
意外な事に今迄8月は国民の祝日が制定されておらず、この山の日の出現によって国民の祝日が無い月は6月のみとなった。衣替え、梅雨入り、アジサイ。もしかしたらそれらが6月を飾る国民の祝日になる日がくるかもしれない。
日本には無数の山が存在し、それらの恩恵を太古から受けているわけだが、今まで山の日が無かったこと自体に驚きを隠せない。原因が挙げられるとすれば、各地山岳団体が個別で山の日を制定していたからだろうか。
それにしても8月に国民の祝日を制定され、不満に思うのは学生達だろう。彼らにとって夏休み中の祝日程意味の無いものはない。振替休日の様に8月1日が休みになるのであれば少しは感謝するのであろうが、現存する山の様にただ当たり前に存在し、恩恵がわかりずらい一日になってしまうかもしれない。
今日は山の日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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