7月9日  ジェットコースターの日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 2017年7月9日は「ジェットコースターの日」である。


 ジェットコースターが日本で初めてできたのは1955年、場所は後楽園ゆうえんちであった。正確にはそれ以前にローラーコースターと言う物が存在していたのだが、ジェットコースターの名称が初めてついたのはこちらが先である。物は言い様だ。

 日本初のジェットコースターは全長550m、最高時速60km、所要時間は2分10秒であった。


 ジェットコースターは意外な事に乗り物事態に動力は積んでいない。大抵のジェットコースターはカタカタと高いところまで昇って行き、そこから落ちる力を利用して自動でコースを一周する様になっている。もちろん例外としてその基本原理を打ち壊すもの凄いコースターも存在する。


 私が度肝を抜かれたのは富士急ハイランドのドドンパだ。これは確か圧縮した空気を一気に開放し、そこから生まれる超加速を体感できる凄いやつだった。僅か1.8秒で時速172kmに到達するモンスターマシンである。残念ながら2016年の10月に営業を終了しているが、なんと今月15日にド・ドドンパとしてリニューアルする。


 日本のジェットコースターの最高時速を保持しているのがこのドドンパであり、ド・ドドンパになるとさらにその記録は伸びて時速180kmを超えると言うのだが、日本一怖いジェットコースターかと言うと話は変わってくる。


 私が日本一怖いと感じたジェットコースターは、いや、これはローラーコースターに分類されるのだが、浅草花やしきにあるコースターである。速度も大して出ているわけでもないし、所要時間も短い。高度も、落差も目を張るところはない。ではなにが怖いのかと言ったら、とにかく頭がぶつかりそうなほど周りとの間隔が狭いのである。加えて、古いコースターであるからして今にも壊れそうなほどギシギシと音を立てていた。気になった方は是非乗ってもらいたい。




 今日はジェットコースターの日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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