5月29日 こんにゃくの日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
飽食のこの世の中。日本の和食の代表ともいえるこんにゃくであるが、その低カロリー、低価格から健康食品として世界に注目されつつもある。本日、2017年5月29日は『こんにゃくの日』である。
こんにゃくの日は1989年に全国こんにゃく協同組合連合会が五月に種芋の植え付けをする事と529《こんにゃく》の語呂合わせの元制定された一日である。
諸君らはこんにゃくの事をどれだけ知っているだろうか。サトイモ科の植物、あるいは球根が元になっているこの食品。元は灰を水に溶かし凝固させていた。その為に一度は茹でて灰抜きをする必要があったが、今現在は灰汁の代わりにアルカリ液を用い、その必要がないこんにゃくが増えた。
柔軟性と弾力性を兼ね揃えたこんにゃくは様々な作品に登場する。例えば「あしたのジョー」の「コンニャク戦法」、野球の『コンニャク打法』や『コンニャク投法』。斬鉄剣でも斬れない事でも有名であり、某ネコ型ロボットが用いるコンニャクは食べると未知の言語すら理解できるようになると言う。
昔の人は『坊主とコンニャクは田舎の方が良い』と言う言葉を残した。この言葉は田舎の黒いコンニャクの方が都会の混ぜ物が多い白いコンニャクよりも優れているとされるように、坊さんも世間に揉まれているより純真である方が優れていると言う言葉である。また、それが関係しているかどうかは定かではないが、死者を裁く閻魔大王もコンニャクが好物だと言われている。
長々と語ったが最後に一つ言わせてほしい。私はこんにゃくが苦手である。
今日はこんにゃくの日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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