　やあやあ諸君。

　私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。

　諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

　私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。

　残り僅かなゴールデンウィークを如何にお過ごしだろうか。諸君らは一分一秒でさえ無駄にしてはいけない。なぜなら刻一刻と、日常と言う社会の為に身を粉にして働く地獄が迫っているからだ。方や、ゴールデンウィークも仕事の予定が入っている諸君らは何も恐れる事は無い。共に乗り切ろう。浮かれきっている世間一般の民共が、現実世界に引きづり出されるその時まで。本日、2017年5月4日は『みどりの日』である。

　みどりの日は、元々昭和天皇を偲ぶ一日であったが、その役目は昭和の日へと移り変わり、今現在は自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ事を目的とした国民の祝日である。

　自然に親しみ豊かな心をはぐくむとあるが、諸君らはアウトドアな趣味をお持ちだろうか。カクヨムに常駐する諸君らにはとてもそんな趣味があるとは思えない。だが、小説の舞台は無限大。世界各国、時代をも超越し、海山川どんな自然でさえ自宅から親しめる。小説を読むこと、これはある意味アウトドアと言っても良いのかもしれぬ。いや、みどりの日だからこそ言わせてもらおう。小説を読むことはアウトドアだ。自然と親しみ、豊かな心をはぐくむことも容易い。

　せっかくのゴールデンウィーク。どこにも出かけることなく自宅にこもっているそこの諸君。明日も仕事なのに限られた余暇でこれを読んでくれているそこの諸君。または出かけたものの今一楽しめていないそこの諸君。今日と言う日はみどりの日である。本日こそ活字の海に溺れ、山の様に様々な表情を見せ、川の様に流れる美しい文章に触れるには最適な一日だと思わないだろうか。

　今日はみどりの日、特別な一日である。

　我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。