5月3日  憲法記念日


 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。



 

 諸君らはゴールデンウィークを如何にしてお過ごしだろうか。実家に帰る者。旅行に行く者。趣味に没頭する者。中には私と同じようにゴールデンウィーク? なにそれ? と、普段と変わらず仕事に駆り出されている者もいるだろう。国民の祝日とあるのに、それは全国民とはいかない事にはやはり納得がいかない。そんな本日、2017年5月3日は『憲法記念日』である。


 憲法記念日は、1947年のこの日に施行された、日本国憲法を記念し、1948年より制定された一日である。前文と11章103条の本文で構成され、「国民主権」「戦争放棄」「基本的人権の尊重」を基本理念としている日本国憲法は我々の生活に深くかかわっている。


 深くかかわっていながら、日本国憲法をあまり知らずとも普段何不自由なく生活出来ているのは、その要点のみを我々が認識しているからだ。例えば人を殺してはいけない。義務教育を受けなくてはならない。他国に移籍してもいい。これらを形成しているのは日本国憲法であり、その他にも多くの取り決めがなされている。


 日本に住んでいながら、日本国憲法についてよく知らない者が多いと思うのは私だけだろうか。そう言いながらも、私もすべてを記憶しているわけではないのだが、ネット上にはそれらをわかりやすく説明しているサイトや、口語訳し発売から5日で5万部を売り上げた本もある。今日この機会にぜひ一度目を通してみては如何だろうか。せっかく日本に住んでいるのだから、知っておいて損はないと思われる。


 それにしても誰がこの憲法を定めたのであろう。もし私が定めていいとなれば、婦女子は原則ミニスカートや、ゴールデンウィークは何人たりとも仕事をしてはならない等、施行したい法律がいくつもあると言うのに。




 今日は憲法記念日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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