4月18日 良い歯、良い肌の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 芸能人は歯が命。アパガードという歯磨き粉のCMで大流行したこのワード。人間の見た目において、歯はかなり重要視されていると主張しているキャッチコピーである。このCMに出ていたのは東幹久と、高岡早紀であった。

 雑誌の表紙を飾る芸能人。タレントは毎年排出されるが、近年その中で引っ張りだこなのは石原さとみと綾瀬はるかである。二人の共通点は透き通ったきめ細かい肌の綺麗さだ。本日、2017年4月18日は『良い歯、良い肌の日』である。


 良い歯の日と、良い肌の日は、418《よいは、よいはだ》の語呂合わせの元制定された一日である。今日は人間の見た目について語ろうかと思う。


 諸君らは美容に気を使っているだろうか。最近では、女性のみならず、男性でもスキンケアに気を使ったり、エステに通う人が増えた。昔のモテる男のイメージは、ワイルドで男らしさを存分に引き出す、ハンサムと呼ばれる人々であったが、近年のイメージは少し変わってきている。端正な顔立ちは変わらずとも、やせ形で知性的なイケメンと呼ばれる人々だ。流行りの漫画やドラマでも、主人公が熱血系や正義感の強いタイプから、クール系や仕方なしに力を発揮するタイプの方が増えつつあるのには、時代の変化を感じさせる。


 そう、お気づきだろうか。

 イケメン、美女とは、時代によって変わるものなのである。


 例えば奈良時代。美人だと評判であった元正天皇。残された彼女の人物画を見ると、お世辞にも美人とは言い難いだろう。ぽっちゃりとした体型に太い眉毛。富の象徴としてこの時代には太めの女子がモテたそうだ。

 平安時代には能面の様に下膨れで細い目の女子がモテていた。知性的な印象を醸し出すサラサラのロングヘアーが流行だったらしい。有名なのは小野小町あたりだろうか。

 江戸時代は流行が目まぐるしく変わり、最先端のファッションがモテる条件だった。そのため室町時代から続く、奇抜な格好をした傾奇者が登場する。その人気は幕府が取り締まる程であった。


 時代が変わるにつれ、見た目の良い悪いは変わるという事がわかってもらえただろうか。自分の見た目に自信がないそこの諸君も、もしかしたら今から10年、20年後にイケメンだと、美人だと祭り上げられるかもしれないと言う妄想で一小説書けそうである。いや、いっそ誰かに書いてほしい。


 ともかくだ。歴史の中にはブスと言われた美人がいたかもしれないし、今はイケメンだと言われていても後世にはダサいと言われてしまう人がいるかもしれない。最終的に何が言いたいのかと言うと、人を外見で判断するのは良くないと思います。




 今日は良い歯、良い肌の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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