3月17日 漫画週刊誌の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 私には毎週欠かさない習慣がある。朝、コーヒーを買いにコンビニに立ち寄る際、月曜日ならばジャンプを、水曜日ならばマガジンとサンデーを、木曜日ならばチャンピオンを立ち読みすると言った習慣である。本日、2017年3月17日は『漫画週刊誌の日』である。


 漫画週刊誌の日は、1959年のこの日、日本初の少年漫画誌、週刊少年マガジンと、週刊少年サンデーが刊行された日である。ちなみに現在発行部数一位の週刊少年ジャンプが発行されたのは1968年の7月11日の事であり、創刊時は月二回発行、週刊誌になったのは翌年、1969年の事であった。


 先ほどの習慣の話に戻るが、私が立ち読み族になったのには理由がある。ジャンプ、マガジン、サンデーを読むと言ったが、正確にはそれに加えヤングジャンプ、ヤングマガジン、モーニング、近代麻雀、ヤングアニマルと、かなりの漫画雑誌を読む私には、いくら数百円の雑誌と言えど積み重なれば山となり、おこずかいが無くなってしまう為である。

 また、それらを欠かさず購入していた頃は部屋の中が雑誌でごちゃごちゃであった。少しづつ買う雑誌を減らし、今現在は月二回発行のヤングアニマルだけを購入している。なぜこれだけを購入するのか。それは中年男性のふたりエッチを立ち読みする光景があまりに羞恥心を捨て去りすぎている為である。


 コンビニの立ち読みについては、店側が禁止しているところが増えてきた。今までは集客効果や、ついで買い、客を入れておくことによる防犯効果などが期待されていたが、防犯カメラの性能向上や、立ち読み禁止にしても売り上げが減らないなどのデータが取れてきている事による。


 今となっては信じられない話だが、昔はコンビニの成人雑誌すら立ち読みが可能であった。今はテープで硬くその中身は閉ざされてはいるが、小学生すら簡単に利用できるコンビニでなんの仕切りもなく性の喜びが知れてしまうのはやはり問題だったのだろう。

 だが、すでに慣れてしまい、私達には違和感が無くなってしまっているが、成人雑誌は今でも当然の如く陳列されているし、その表表紙には卑猥なワードが満載である。これを純真な子供たちに見せつけるのは如何ともし難い。煙草や酒の成人確認を徹底するより先に、未成年が容易に性的なコンテンツに目を向けてしまえる問題にも目を向けるべきである。




 今日は漫画週刊誌の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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