2月21日 日刊新聞創刊の日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
諸君らは毎朝新聞を読んでいるだろうか。ニュースの速報や話題の記事を新聞以外からも手軽に読めるようになった今、契約数は昔より減りつつあると知り合いの新聞屋の青年が語っていた。それに対抗するために新聞もアプリなどから読めるようにはなったが、紙の新聞には独自の良さがある。本日2017年2月21日は『日刊新聞創刊の日』である。
日刊新聞創刊の日は、現存する日刊紙最古の新聞、『毎日新聞』が1872年に創刊された記念日である。では日本初の日刊紙はというと、1870年に創刊された横浜毎日新聞であるが、すでに吸収されてしまっている。
自身で新聞を契約した人は知っているかと思うが、競馬や競艇、子供新聞や釣り新聞のように500円近くする特殊な新聞を除くと、読売、朝日、毎日などの新聞1部の値段と言うのは大体100円~150円である。駅やコンビニでも同じ様な値段で販売されているのを見たことがあるのではないだろうか。
新聞は1か月、3ヶ月、半年、1年単位で契約されるわけだが、その契約の際、販売員からサービスと称され、洗剤や野球のチケット、景気のいい時は温泉旅行などを見返りとして貰ったことはないだろうか。一ヶ月の契約で大体3000円半ばだとして、いくら契約が欲しいからと言っても気前が良すぎると思った人は少なくないだろう。
第一、記事を書く記者から編集者、印刷所、そこからの配送、さらには営業所の配達員の給料が、1部たった100いくらの新聞で賄えるわけがないのである。ならば、直接ポストに新聞を投函する配達員の給料はどこからきているのか。その答えはチラシにある。
日刊紙にはチラシが入っているが、そのチラシは企業が配達件数に比例し広告料を払い配らせるものである。営業所は新聞を仕入れる際に、逆に金銭を払い、収入はというとこの広告料からきているのである。故に、一定の契約数があれば新聞屋はつぶれる事は無く、なによりもこの契約数に力を入れているのだ。
チラシを見ればわかると思うが、電機屋やパチンコ屋は新聞屋にとって上客である。世の中、何が起こるかわからないものである。私も同じく日刊小説を書く身として、彼らには粗相のないようにしておこうと心から思った。
今日は日刊新聞創刊の日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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