1月5日  シンデレラの日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 さて、本日2017年1月5日は『シンデレラの日』である。

 前日までの流れから囲碁の日やイチゴの日を想定していた諸君。考えが甘いな。だが、確かにそれら記念日もある事は認めよう。一日に多数の記念日が被っていることは珍しくない。そう言った場合は、私の独断と偏見によるチョイスで一つに絞ろうと考えている。


 シンデレラの日、とは、1956年1月5日にアメリカの女優であったグレース・ケリーが、モナコの大公であったレーニエ3世、つまりはモナコの王子様と婚約を発表したと言う、まるで、ディズニー映画を思わせるような実話の記念日である。

 よく誤解されがちだが、結婚式を挙げたのは同年の4月18日であり、また別の日にちとなる。


 この法的な結婚式はモナコ大公宮殿で行われたが、その翌年の4月の19日、今度はサン・ニコラ大聖堂でカトリック式の結婚式が挙げられている。つまりは、同じ相手と二年で二度、盛大な結婚式が挙げられているのである。

 これらの結婚式はヨーロッパ諸国中に生中継された。


 結婚式の生中継など、私は海老蔵とカリオストロの城の伯爵くらいしか思い浮かばないないが、乙女の諸君らにはこの話に胸がときめく所があるのではないだろうか。男子諸君らからしてみれば、男は地位や顔ではなく心で決まるものだと、胸が締め付けられる所があるのではないだろうか。


 玉の輿、いや、私の場合は逆玉か。

 是非、機会があれば私もあやかってみたいものである。




 今日はシンデレラの日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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