その背中を追い越したくて
美織
恋のお相手は僕より背の高い女の子
このお話の主人公は、
そんな彼には幼いながら好きな女の子がいた。名前は
「おはよう。お母さん」
「あら、はやいわね、将」
将が母に挨拶する。まだ朝の六時である。学校へは、比較的近いので時間に苦労はしない。今日の朝食はトーストと牛乳だ
牛乳__
CMなどを見るとセノビ〇クが目立つが、将は彼のポリシーなのか、牛乳を飲んでいる。多くの人は、「牛乳は骨を強くするので背は伸びない」などと言っているが、将はそう思っていない。勿論、母もだ…
「宿題したの?いく用意は?」
「昨日のうちにしたから大丈夫」
こんな会話をしていると、「将の父は?」という人が出てくるかもしれないので先にいっておくが、彼の父は出張で居ないだけなのだ
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
母が笑顔で玄関で見守っている。そしてドアを開けると、学校の方向へと足を向ける
「おはよう。まさ」
「おはよう」
「おはよう。田中君」
何気ない挨拶をし、教室へ向かう
「あっ、おはよう。田中君」
「お、おはよう」
長い髪を揺らして、木々の隙間から太陽の木漏れ日を受けていたのは将の初恋相手の永田美恵だった
髪を耳にかきあげるしぐさはかなりエロいとクラスの男子が騒いでいる
「美恵、また背が高くなった?」
「もう、これ以上背が伸びたらわたし……」
「どんまい!」
そんな会話を聞いて、将は…(永田さんは、将来モデルになる可能性が高いんだよ?だからもっと高くなってもらわなきゃ!でも、それで、僕との身長差がまた開いたら…)とまで考えている。将は、こんなことを考えてばかりいる。だから彼は身長が伸びないのだろうか…
「そういえば……」と、将は思い出したように美恵に話しかける
「永田さん」
「なに?田中君」
「今度さ、ぼくの妹の誕生日なんだ」
「あぁ、姫ちゃんの」
「うん。だから、一緒にプレゼントを選んでくれないかな?」
早まる鼓動を押さえながら将が聞くと、美恵は少し悩むような仕草をし…
「うぅん………………いいよ!」
なんと、OKしてくれた
「ありがとう」
「ううん。全然。姫ちゃんによろしくね」
「うん」
でも彼はこのあと後悔をする。美恵との会話を聞いていた男子が険しい顔でこちらへ来るのを、将は気づいていなかったのだから…
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