オタクな俺に彼女なんかできるわけない!

CHIーbee

第1話

ここはIK高校

通称「イケメン高校」

由来は、イケメン集団である「IK5」が生徒会として存在しているからだ。

その中でもトップに君臨する俺ことIK高校2年天城王子(あまぎ おうじ)は学校内外問わず女子の視線を一手に受けるグッドルッキングガイだ。


校内では俺に遭遇した事が遅刻理由として受理される程だ。俺のことを避けて通ることができる女子など存在しない。


しない筈だった。


ある昼休み、事件は起こった。

いつものように女子に囲まれる俺。

その女子の囲いの向こう側。俺の目に留まったのは、巻き髪をサイドでポニーテールにしている小麦肌の女子。如何にもギャルでイケメンが好きそうだ。

一瞬、視線が交錯した。俺はふっと微笑んだ。周囲から黄色い歓声が上がる。しかしその小麦肌の女子は微笑み返すこともなくさっさとその場を去ってしまったのだ。


今までこんなことはなかった。

自分の中で渦巻く炎を感じた。

これが屈辱だと理解した俺は彼女をオトすことに決めた。



先ず、彼女が向かった場所を想定する。あの方向は屋上へ向かう階段がある。昼食を屋上でとる生徒は少なくない。

そこで一階上まで別の階段を使って先回りをした。

そして待ち伏せして

秘技『壁ドン』



「やぁ、さっき目があったね。もしかして俺と話したいことでもあった?なら二人きりでお昼たべない?」



台詞、仕草、声色、タイミング全てが完璧。我ながら惚れ惚れする。近距離で俺のイケメンを喰らえ!



「あ、ごめんなさい先輩。先約があるんで」



彼女は顔色ひとつ変えることなく俺の腕をスルリと脱け出して去って行った。


嘘だろ、嘘


嘘だろ、、、

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