第653話関白殿、二月二十一日に(8)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


関白道隆殿の姫君たちは、お化粧もていねいで、紅梅襲の御召物などを誰に対しても恥ずかしくないように、しっかりと着こなしておられます。

その中で、三の君は四の君や姉の中姫君よりも大柄と見受けられ、北の方とお呼びしてもよい程です。

関白殿の北の方もお見えになられ、御几帳を引き寄せ着座なされます。

私のような、新参の者たちからは拝見できないので、つまらない気がします。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :特に三の君は、和泉式部日記でも知られている敦道親王の后になられるのですね。

清少納言先生:その通りです。また北の方は、高階貴子様、高内侍と呼ばれ、和漢の文芸の博識。

舞夢    :中宮定子様の素晴らしい教養にも、影響があるのでしょうね。

清少納言先生:おそらく、そうと思われます。


※関白殿、二月二十一日に(9)に続く。

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