第647話関白殿、二月二十一日に(2)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
一丈ぐらいの高さの桜が満開の状態で、御階の傍らに置かれているので
「何とも早咲きの桜だなあ、今の時期は梅が盛りのはずなのに」
と思って、しっかりと見ると、その桜は何と造花でありました。
全てがしっかりと明るく咲いている花の様子などは、本物に全く見劣りがしません。一体、どれくらいの手間暇がかかったことでしょうか。
それでも、雨が降れば凋んでしまうと思うと、残念に思われます。
そもそも、ここの界隈は小家と言われるような建物が密集していた所を、最近造営なされたので、植えられた木立も、新しいお屋敷に見合うような立派なものはありません。
それでも、ただ、この二条院が持つ雰囲気には親近感がありまして、心も魅かれるのです。
※関白殿、二月二十一日に(3)に続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます