第620話世の中になほいと心憂きものは(1)

清少納言先生:今日は何と言っても、心を悩ませるもののお話です。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


この世間で暮らしていくうえで、何と言っても心を悩ませるものは、他人から憎まれることだと思うのです。

どのような変わり者が、自分から他人に憎まれようと思うのでしょうか。

ただ、そうは言っても、自然に、宮仕えをしている場合、親子、兄弟の間であっても、好まれる場合と、好まれない場合があるのは、本当に情けないことと思うのです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :持って生まれた相性などがあるのでしょうか。

清少納言先生:一つ一つの言動が、気に入らなくなってしまうと、もはやどうにもなりません。

舞夢    :特に狭くて、人間関係が複雑な宮廷社会の場合は、難しいですね。清少納言先生:その通りです、だから用心が必要なのです。


※世の中になほいと心憂きものは(2)に続く。

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