第612話文ことばなめき人こそ(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


その人が仕えている男主人に対して、身分をわきまえず、礼を失した言葉遣いをすることは、本当によくないことです。

また、自分が召し使っている者などが、私の夫のことを「かれこれこうでいらっしゃる」とか「おっしゃる」などとの言葉遣いをするのは、とりわけ憎らしく思います。

そういう際には、「侍る」などといった丁寧な言葉を遣わせるようにしたいと思うことが、実に多々あります。

そのような注意や指示を行っても問題がない者に対しては

「おまえの言葉遣いは、仕える相手に対して、気に入られるような感じを起こさせない、これこれこういう理由で、今の言葉遣いは礼を失することになると思うよ」と言うと、私の側で聞いていた人も、言われた当人も、笑って済ませてしまいます。


※文ことばなめき人こそ(4)に続く。

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