第613話文ことばなめき人こそ(4)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


このように、私としては、言葉遣いについて礼を失しないことが大切と考えているので、「余計に他人のことに神経を使い過ぎる」などと私のことを噂するのも、私に指摘された当人にとってみれば、人前で指摘されることは恥ずかしいことになることになるに違いがない。

殿上人や宰相などについて、何の遠慮も無く、その本名を呼び捨てにして語っている様子は、近くで聞いていて相当気になるけれど、簡潔にその名前を口にせず、女房の局に仕える者にまで、「あの御許」「君」などと言う場合は、当人にとっては大切にされているような気持になって、すばらしいとか、うれしくなり、呼びかけた人を褒めることが限りありません。


※文ことばなめき人こそ(5)に続く。

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