第603話さわがしきもの

清少納言先生:今日は騒がしいものとか、穏やかではないもののお話です。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


騒がしいもの。

炭火で火の粉のはねる様子と、その音。

板屋の上で、烏が斎の生飯を食べている時。

十八日に清水寺に参籠者が集まってきてしまった時。

まだ灯りをともしていない時に、客が訪ねてきた時。

さらに、遠い地方の国から、家の主が上京してきた時は、本当に大騒ぎになる。

「近所で火が出た」と、人が騒いでいる時。

しかし、今回は燃え移らないですみました。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :斎の生飯とは?

清少納言先生:「斎」とは「時」の意味になります。仏教では原則的に正午以降の食事を非時食と禁じていましたので、食事を摂るべき正しい時間の食事を「とき」といいます。「生飯」については、僧侶は食事の際に、飯の一部を屋根などにおいて、施餓鬼の供養とする習慣があったのです。

舞夢    :それを板屋の上で、烏が食べてしまうのですね。

清少納言先生:はい、餌になってしまいます。

舞夢    :清水寺の十八日は、ご本尊の観世音菩薩の縁日。

清少納言先生:はい、まさに参籠者が殺到します。


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